Oxford Table Lamp | オックスフォード テーブルランプ


About

Designer: Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)
Manufacturer: Louis Poulsen(ルイスポールセン)
Year: 1962
Material: Lacquered metal, Opal glass, Brass


Story

「Oxford」テーブルランプは、アルネ・ヤコブセンが英国オックスフォード大学のセント・キャサリンズ・カレッジのために1962年にデザインした照明器具です。このランプは、ヤコブセンが掲げた「トータルデザイン(Gesamtkunstwerk)」の哲学を体現する作品であり、建築と家具、光が一体化する空間を創出しました。

セント・キャサリンズ・カレッジのダイニングホールにおいて、長大なオーク材のテーブルを照らすために設計された「Oxford」ランプは、当初はテーブルに直接固定されるピンランプとして導入されました。その後、ルイスポールセンとの協業により、自立型モデルへと発展し、一般市場向けに展開されました。

デザインは、なめらかなオパールガラスシェードとラッカー塗装のメタルシェードの組み合わせに特徴があります。真鍮製のディテールや、ステムからベースまでのシームレスなラインは、機能と造形美の融合を示すヤコブセンらしい表現です。光は柔らかく下方に拡散し、食事の場に心地よい雰囲気をもたらしました。

また、このランプは建築空間の構造を強調する役割も担いました。ダイニングホールの柱や幾何学的なラインを際立たせる配置は、照明が単なる機能を超えて建築的意図を補完する存在であったことを示しています。

「Oxford」シリーズはその後、フリッツ・ハンセン社による「Oxford」チェアの誕生へとつながり、照明と家具の双方でヤコブセンのデザイン言語が国際的に広まりました。現在でもルイスポールセンによって再生産が行われており、普遍的な美しさと実用性を兼ね備えた名作として高く評価されています。

PAGE TOP