PK40 Table | テーブル


About

Designer: Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Manufacturer: E. Kold Christensen(E. コールド・クリステンセン) / Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1957
Material: Ash, Stainless steel
Size: W204 × D102 × H68 / 72 cm


Story

PK40 Tableは、ポール・ケアホルムが晩年に手掛けた作品であり、彼のデザイン哲学を集約する重要なテーブルです。正方形のシルエットを持ち、会議や食事といった人々の集いの場を前提に構想され、空間を規定する中心的存在として設計されました。その簡潔で明快な造形は、ケアホルムが「家具建築家」として追求した思想を色濃く反映しています。

このテーブルの最大の特徴は、サテン仕上げのステンレススチール製ベースと、レザーで覆われた天板の組み合わせにあります。工業的素材と天然素材が対照的に並置されることで、冷たさと温かみが同居する独自の美を生み出しています。特にレザーは使用とともに経年変化を帯び、時間の流れによって個性的な表情を纏う点が魅力です。

天板は4分割されたレザー構造となり、繊細なパイピング処理が施されています。細部まで行き届いたこの仕上げは、ケアホルムが指物師として培った職人性を物語ります。また脚部の構造には意図的な隙間が設けられており、重厚なフォルムに軽快さと浮遊感を与えています。

製造はまずE. コールド・クリステンセンにより短期間行われ、その後フリッツ・ハンセン社に引き継がれました。これによりPK40 Tableは、単なる限定的なプロトタイプに留まらず、現在もなお生産が続けられる「生きたデザイン」として受け継がれています。

今日のPK40 Tableは、装飾に頼らず素材と構造そのものから高級感を生み出す「控えめなエレガンス」の象徴とされています。その普遍的な美は流行に左右されず、デンマークモダニズムの中においても特異な存在感を放ち続けています。

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