PK51 Table | テーブル


About

Designer: Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Manufacturer: E. Kold Christensen(E. コールド・クリステンセン) / Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1957
Material: Ash, Stainless steel
Size: W204 × D102 × H68 / 72 cm


Story

PK51 テーブルは、1957年にポール・ケアホルムが発表したワークテーブルで、天然アッシュ材とステンレススチールという異素材を融合させた革新的な作品です。シンプルな長方形の天板に、コの字型のスチール脚をボルトで直接結合する構造を採用し、装飾を排した「構造そのものの美」を表現しています。

当時、木材を主体とした家具が主流であったデンマークデザインの潮流にあって、ケアホルムはスチールを木と同等の芸術的素材と位置付け、その可能性を追求しました。PK51はその代表的な成果であり、光を反射するスチールの緊張感と、アッシュ材の温かみを対話させることで、詩的なミニマリズムを実現しています。

このテーブルは同年に発表されたPK11チェアとペアで設計され、ケアホルム自身も自邸で愛用していました。直線的で理性的なテーブルと、曲線を含む有機的なチェアが組み合わさることで、空間全体にバランスの取れた静謐さを生み出しています。

また、ヴィンテージ品と現行品では高さが異なり、E.コールド・クリステンセン製は68cm前後、フリッツ・ハンセン製は72cmが採用されています。この差は、時代ごとのエルゴノミクス基準を反映したもので、現代においても適応されるデザインの進化を示しています。

PK51は、ニューヨーク近代美術館やV&A博物館などに収蔵されており、実用品であると同時に美術品としても評価される稀有な存在です。その普遍的価値は、和の空間との調和においても証明され、日本の伝統建築とも自然に融合する姿が高く評価されています。

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