Armchair Model418 | アームチェア


About

Designer: Arne Vodder(アルネ・ヴォッダー)
Manufacturer: Sibast Furniture(シバスト・ファニチャー)
Year: 1950s
Material: Teak, Rosewood, Walnut, Mahogany
Size: 幅59 × 奥行51 × 高さ77 cm


Story

アルネ・ヴォッダーがデザインし、シバスト・ファニチャーによって製造されたモデル418は、デンマーク・モダンデザインを代表する椅子のひとつです。ダイニングチェアとして知られる同型のシリーズの中でも、アームチェア版は幅と奥行きが大きく、重厚さと快適さを兼ね備えています。

ヴォッダーは、フィン・ユールに学び、建築的な素養をもとに家具デザインを展開した「第二世代」のデザイナーです。彼の作品はシンプルで堅実な構造を基本としながらも、有機的なフォルムや非対称的な要素を取り入れることで独自のスタイルを確立しました。その普遍的な美しさは、国際的な公的機関やホワイトハウスといった格式ある空間で採用されたことからも証明されています。

シバスト・ファニチャーとの協業は、ヴォッダーのキャリアを語る上で欠かせません。創業者P.O.シバストの木工哲学を受け継いだヘルゲ・シバストは、ヴォッダーの革新的なデザインを熟練した職人技で具現化しました。この両者の「デザイン対話」から、モデル418を含む数多くの傑作が誕生しました。

モデル418の特徴は、曲げ木を駆使した背もたれと、脚から背にかけて流れるように接続する後脚の美しいラインにあります。ジョイント部分の複雑な仕口や、なめらかな曲線は高度な技術なしには実現できず、彫刻的とも言える存在感を放っています。

使用された木材にはチークやローズウッドをはじめ、ウォルナットやマホガニーもあり、自然素材の魅力を引き出すことに注力したヴォッダーの哲学が表れています。座面は張り地を用いた仕様で、再張り替えが容易な構造は長期的な使用を前提としたサステナブルな設計といえます。

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