PK33 Stool | スツール


About

Designer: Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Manufacturer: E. Kold Christensen(E. コールド・クリステンセン) / Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1959
Material: Steel, plywood, leather
Size: φ53 × H34 cm


Story

PK33スツールは、ポール・ケアホルムが1959年に発表したミニマリズムの象徴的作品です。わずか3本のスチール脚と円形の座面というシンプルな構成ながら、構造的合理性と美学を高次元で融合させています。

座面は積層合板をベースに、取り外し可能なレザークッションがゴムリングで固定されており、機能性とメンテナンス性を兼ね備えています。この仕組みは「見せる構造」としてデザイン全体に取り込まれており、ケアホルムが一貫して追求した素材の誠実さを体現しています。

PK33の造形は、スツールという日常的な家具を超えて彫刻的な美を持ち合わせています。三脚構造は安定性を高めるだけでなく、空間に軽快なリズムを与えます。また低めの座面設計により、床に近い生活様式や日本的な空間にも調和しやすい点も特徴です。

ケアホルムが重視したのは「素材の対話」です。硬質なスチールと柔らかなレザーのコントラストは、使い込むほどに経年変化を重ね、静謐な緊張感と温かみを同時に生み出します。光の反射によるスチールのグラデーションと、使用者の身体と共に変化するレザーの質感は、まさに「進化する美」を宿しています。

PK33は単独での存在感も強い一方で、PK22ラウンジチェアやPK31ソファと組み合わせることでシリーズ全体の統一性を示します。家具を建築空間の一部として構想したケアホルムの思想は、このスツールにおいても明確に表現されているのです。

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