PK55 Table | テーブル


About

Designer: Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Manufacturer: E. Kold Christensen(E. コールド・クリステンセン) / Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1957
Material: Ash, Steel
Size: W180cm × D90cm × H69/72cm


Story

ポール・ケアホルムが1957年にデザインした「PK55 Table」は、彼の哲学を最も純粋に体現したテーブルのひとつです。家具を「単体の製品」ではなく「建築空間の一部」として捉えた彼の思想は、この作品において明確に示されています。

天板には温かみを持つアッシュ材が用いられ、ベースには冷たさと緊張感を備えたサテン仕上げのスチールが組み合わされています。この異なる素材の対話は、触覚的な安らぎと構造的な堅牢性を同時に提供し、ケアホルム独自の「素材の詩学」を表現しています。

PK55は長方形のワークテーブルとして設計されましたが、そのミニマルで洗練された造形は、オフィスやダイニングといった多様な空間に調和します。シンプルでありながら緊張感を持つラインは、彼が目指した「余分を排し、本質を残す」デザイン哲学を如実に表しています。

また、このテーブルはPK11チェアと意図的にペアリングされ、統一感のある空間を構築するよう考案されました。椅子とテーブルが一体となり、機能性と審美性を兼ね備えたインスタレーションを形成する点に、ケアホルムの真価が示されています。

現在もフリッツ・ハンセン社によって製造が続けられており、20世紀から21世紀にかけてデンマークデザインの不朽の象徴として評価されています。ヴィンテージ品と現行品で細部仕様に違いはありますが、いずれもケアホルムの思想を継承する作品として普遍的な魅力を放ち続けています。

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