PK63A Coffee Table | コーヒーテーブル


About

Designer: Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)
Manufacturer: E. Kold Christensen(E. コールド・クリステンセン) / Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1968
Material: Stainless steel, Slate / Marble / Granite
Size: W120 × D60 × H31 cm


Story

PK63A コーヒーテーブルは、ポール・ケアホルムが1968年にデザインした作品であり、彼の代表的なソファ「PK31」との組み合わせを想定して設計されました。低めに抑えられた高さは視界を遮ることなく、空間全体に静謐な秩序を与えることを意図しています。この思想は、家具を建築空間の一部とみなしたケアホルムの「家具建築家」という独自の概念を体現するものです。

デザインはサテン仕上げのスチールフレームと天然石の天板という最小限の要素で構成されており、装飾を排した極めて純粋な造形美を備えています。構造を隠さずに見せる姿勢は、素材の合理性と緊張感を視覚的に表現しており、まさに「構造がデザインそのもの」というケアホルムの哲学を示しています。

天板にはスレート、大理石、御影石などが用いられ、それぞれ異なる質感や表情を持つため、一つとして同じものは存在しません。工業的精度を誇るスチールフレームと自然が作り出す唯一無二の石材との対話は、ケアホルムの作品に特徴的な「異素材の調和」を示しています。

製造は当初、E. コールド・クリステンセン工房で行われ、1982年以降はフリッツ・ハンセンがその権利を継承しました。フリッツ・ハンセンは今日に至るまで最高品質の基準を維持し、PK63Aを正規コレクションとして製造し続けています。

PK63Aは、単なるコーヒーテーブルを超えて、空間全体を調和させる建築的要素として設計された作品です。その静謐で洗練された存在感は、どのような空間にも普遍的な美をもたらし、ケアホルムの哲学を現代に伝える不朽の遺産となっています。

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