Ølholm Møbelfabrik | オルホルム・モブラー


Story

Ølholm Møbelfabrikは、デンマーク・モダンの黄金期において、地方工房でありながら高品質な家具を供給し続けた重要な存在です。1892年にニールス・ニールセン・オマンによって創設され、20世紀初頭から大衆のために優れたデザインを提供することを理念として掲げました。

 

創業当初から「品質を意味するマーク」というスローガンを掲げ、塗装工房を自社に統合するなど、時代を先取りした製造体制を確立しました。これは後のデンマーク・モダン運動が評価する要素と一致しており、Ølholmは早くから機能主義的な価値観を体現していたといえます。

 

1930年代にはオマン家の兄弟がそれぞれØlholm MøbelfabrikとOmann Jun. Møbelfabrikを経営し、互いに機械や職人を共有しながら、異なる市場を開拓しました。この共生関係は「協調的競争」と呼べるものであり、両者は共に成長を遂げました。

 

1950年代以降、Ølholmはチークやオーク、ローズウッドを用いた家具を製造し、シグフリッド・オマンやアルネ・ヴォッダーといったデザイナーによる代表作を発表しました。スツールや化粧台、セクレタリーデスクなどは今日でも高く評価されています。

 

1969年にはOmann Jun.に吸収され、独立した工房としての歴史を閉じましたが、その職人技とデザイン精神は後世へと引き継がれています。Ølholm Møbelfabrikの作品は、デンマーク・モダンの中でも静かでありながら強固な個性を宿した遺産として、収集家や愛好家にとって特別な意味を持ち続けています。


About

Year:1892–1969
President:Niels Nielsen Omann、Sighfred Omann
Designer:Sighfred Omann(シグフリッド・オマン)、Arne Vodder(アルネ・ヴォッダー)
Place:オルホルム


History

1892:Niels Nielsen OmannがオルホルムにてØlholm Møbelfabrikを創設
1900年代初頭:塗装工房を自社に統合し、塗装済み家具を一貫生産
1933:兄のAndreas OmannがOmann Jun. Møbelfabrikを創設、家業は二工房体制に
1935:創業者ニールスが逝去、息子のSighfred Omannが事業を継承
1937:セルロースラッカー塗装部門を新設し生産を拡大
1942:50周年記念誌を発行、従業員数は約50名に達する
1950年代:チークやオークを主体としたモダン家具の製造を本格化
1960年代:シグフリッド・オマンのスツールやナイトスタンド、アルネ・ヴォッダーの化粧台が代表作として登場
1969:Omann Jun. Møbelfabrikに吸収され、独立工房としての歴史を終える


Furniture

・Stool
・Ottoman
・Dressing Table | 化粧台
・Nightstand | ナイトスタンド
・Secretary Desk
・Bookcase
・Sideboard

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