K.P. Møbler | K.P.モブラー


Story

K.P. Møblerは、デンマーク・モダンの黄金時代において重要な役割を担った家具工房です。その正式名称は「K.P. Jørgensens Møbelfabrik」とされ、創業者K.P. Jørgensenの名を冠しています。一般的には「K.P. Møbler」と呼ばれ、ブランド名として広く流通しました。

 

同工房は1950年代から70年代にかけて活動し、特にデザイナーKurt Østervigとの密接な協業で知られています。Østervigが好んだソリッドオークやレザーを用いた作品は、工房の技術力と美学の結晶でした。代表作のひとつ「ハンティングチェア Model 168」は、頑丈なオーク材のフレームとサドルレザーの組み合わせで高く評価され、今日でもコレクターズアイテムとして知られています。

 

K.P. Møblerは「品質への揺るぎないこだわり」を理念に掲げ、伝統的なキャビネットメーカーの高度な技術を基盤としながら、時代を超越した機能性と洗練された美学を実現しました。Østervigのみならず、後期にはAksel Dahlなど若手デザイナーを起用するなど、時代の変化にも柔軟に対応しました。その活動は、クラフトマンシップとデザイナーの創造性を融合させたデンマーク家具産業の典型例といえるでしょう。


About

Year:1952–1970年代後半
President:K.P. Jørgensen
Designer:Kurt Østervig(カート・ウストヴィ)、Aksel Dahl(アクセル・ダール)


History

1952:K.P. Jørgensens Møbelfabrik(K.P. Møbler)設立
1950年代後半:Kurt Østervigとの協業を開始、オーク材とレザーを用いた椅子や収納家具を製造
1960:ハンティングチェア Model 168を発表、デンマークモダンの代表的名作として評価される
1960年代前半:ローズウッドやチーク材を用いたサイドボードやキャビネットを展開
1960年代半ば:自立式書棚・シェルフシステムを発表、有機的な脚部とブロンズ支柱で注目される
1965:モデル119・179などのサイドボードシリーズを製作、内部構造にフェルト張りトレイを採用
1968:コーヒーテーブルや伸長式ダイニングテーブルなど多様なテーブル類を発表
1970:高級家具市場で評価を確立、国際的にも流通が始まる
1972:Aksel Dahlを起用し、Østervigのハンティングチェアを基にした廉価モデルを製作
1975:経済環境の変化により工房規模を縮小、ヴィンテージ市場で評価が高まる


Furniture

・Hunting Chair Model 168 | ハンティングチェア
・Dining Chairs(model numbers不詳)
・Sideboard Model 119
・Sideboard Model 179
・Freestanding Bookcase / Shelving System
・Coffee Tables(square, triangular motif designs)
・Dining Tables(extendable type)
・Writing Cabinet
・Bar Cabinet

PAGE TOP