Klim Møbelfabrik | クリム・モベルファブリック


Story

Klim Møbelfabrikは、1920年代末から1930年代初頭にユトランド半島北部の町Klim(クリム)で設立されました。その立地は、スカンジナビア特有の厳しい自然環境と簡素な生活様式に根ざしており、同社の家具に見られる純粋で無駄のないデザイン哲学を形成しました。

創業以来、同社は木材の誠実な活用と高水準の職人技を核とし、統合的な製造工程を堅持してきました。原木から完成品までを自社工場で一貫して管理することで、品質と信頼性を確保する方針を貫いています。

特に1950〜60年代にかけては、デザイナーErling Torvits(アーリング・トーヴィッツ)との協業により、ミッドセンチュリーデザインを代表する数々の名作を生み出しました。彼のデザインは、シンプルな造形とローズウッドやチークの美しい突板を活かした表現が特徴であり、Klimの技術力によって一層際立ちました。

現代においても、同社はその哲学を受け継ぎ、モジュール式の収納システムやオーダーメイド家具を展開しています。顧客が共同デザイナーとして製作に関わるスタイルは、デンマーク家具の伝統を現代の暮らしに適応させた新たなアプローチです。

このように、Klim Møbelfabrikはミッドセンチュリーの遺産を大切にしつつ、時代に合わせた柔軟な展開を通じて、デンマーク家具の精神を今に伝える工房として存続しています。


About

Year:1929–現在
President:不詳
Designer:Erling Torvits(アーリング・トーヴィッツ)
Place:Klim, Fjerritslev(クリム、フィェリツレウ)


History

1929: Klim Møbelfabrik創業、ユトランド半島北部Klimにて家具製造を開始
1930: 初期は日用品や木製キャビネットを中心に製造
1944: 第二次世界大戦後の需要増加に伴い生産規模を拡大
1950: 高品質な突板技術を確立し、パネル家具製造に特化
1955: Erling Torvitsがデザイン活動を開始し、A.J. Iversenでの経験を経て独立
1960: TorvitsとKlimが協業を開始、セクレタリーやキャビネットを発表
1961: ローズウッド材を使用したセクレタリーが注目を集める
1962: サイドボードやブックケースのシリーズ製造を開始
1964: コペンハーゲン家具職人ギルド展に作品を出品
1965: モダンな突板仕上げを用いた家具が欧州市場で高い評価を得る
1967: 隠し引き出しを備えたセクレタリーが国際的に話題となる
1968: 大型壁面収納ユニットを製造開始、住宅建築の変化に対応
1970: 北米市場に輸出を開始
1975: Fjerritslev周辺の地域経済を支える主要工房として成長
1980: トレンドの変化により、機能性を重視したデザインを導入
1985: オーダーメイド製品の比率を増加
1990: パネル家具の技術を活かしたテレビボードやオーディオラックを開発
2000: モジュール式収納システムを発表し、現代的ニーズに対応
2005: 顧客仕様に基づくカスタマイズ家具製造を全面展開
2010: サステナブルな木材利用への取り組みを強化
2015: デンマーク国内外のデザインイベントで再評価を受ける
2020: デジタル設計と受注生産を組み合わせた新体制を構築
2023: Erling Torvits作品のヴィンテージが国際的オークションで高値を記録


Furniture

・Secretary Desk
・Sideboard
・Bookcase
・Wall Unit
・Cabinet
・Display Cabinet
・Modular Shelf System
・Vitrine
・TV Board
・Audio Rack

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