Uldum Møbelfabrik | ウルドゥム・モーベルファブリック


Story

Uldum Møbelfabrikは、デンマーク・ユトランド半島の町ウルドゥムを拠点とした家具工房です。その活動は主に1960年代から1970年代に集中しており、デンマークモダンの黄金期における重要な製造者の一つとして位置づけられます。同工房は独自のブランドを前面に出すよりも、著名デザイナーのヴィジョンを精緻なクラフトマンシップによって形にする役割を担いました。

 

特にヨハネス・アンダーセン(Johannes Andersen)やイルゼ・リックス(Ilse Rix)といったデザイナーとの協業が有名であり、彼らの創造的なアイデアをチークやローズウッド、オークといった上質な木材を用いて具体化しました。アンダーセンの有機的な曲線美を備えた椅子や、伸長式ダイニングテーブルなどはその代表例です。一方でリックスは建築的なアプローチを採り、無垢材を駆使したチェストや独自の意匠を持つサイドボードを残しました。

 

Uldum Møbelfabrikは、職人技術に裏打ちされた高度な木工技術を背景に、デザイナーの個性を忠実に反映する製造者として評価されています。その遺産は「デンマーク品質」を象徴するものであり、今日でもコレクターや研究者にとって高い関心の対象となっています。


About

Year: 1960–1990
President: 不詳
Designer: Johannes Andersen(ヨハネス・アンダーセン)、Ilse Rix(イルゼ・リックス)
Place: Uldum(ウルドゥム)


History

1960: Uldum Møbelfabrikがデンマーク・ユトランド半島ウルドゥムに設立される
1961: イルゼ・リックスによるオーク無垢材チェストを製造
1962: ヨハネス・アンダーセンと協業を開始、ダイニングチェアやテーブルの製造を本格化
1963: Julianeチェアを発表、彫刻的な背もたれデザインで注目を集める
1964: Model 16チェアを製造、曲線美と快適性を兼ね備えた代表作となる
1965: U20チェアを製造、コンパクトながら美しいフォルムが評価される
1966: アンダーセンデザインの伸長式ダイニングテーブルを製造開始
1967: サイドボードやハイボードの製造を拡大、ローズウッド材を多用
1968: Model 138チェアを発表、背もたれの開口部デザインが特徴
1969: リックスによる編み込み前面を持つサイドボードを発表
1970: アンダーセンと共に大型クレデンザを製造
1971: No.14ハイボードを発表、バーキャビネット機能を備える
1972: ローズウッド製サイドボードを中心に輸出拡大
1973: オイルショックの影響で家具輸出に困難が生じる
1974: 法人「ULDUM MØBELFABRIK A/S」が破産手続きに入る
1975: アンダーセンとの協業が減少する
1976: リックスのデザインによるオーク製家具の生産を継続
1977: 小規模な家具シリーズを製造、国内需要に対応
1978: 生産量が縮小、徐々に市場から姿を消す
1980: 残存した家具が国内外でヴィンテージとして評価され始める
1985: アンダーセンの作品が美術館やコレクションに収蔵される
1990: Uldum Møbelfabrikが正式に解散、活動に終止符を打つ


Furniture

・Model 16 Chair
・Juliane Chair
・Model U20 Chair
・Model 138 Chair
・Extending Dining Table
・Coffee Table
・Model No.14 Highboard
・Model U15 Sideboard
・Oak Chest
・Rosewood Sideboard

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