Kai Kristiansen & Friends | カイ・クリスチャンセン&フレンズ


Story

Kai Kristiansen & Friends は、デンマークモダンデザインの黄金期を代表するデザイナー、カイ・クリスチャンセンの遺産を現代に継承するために設立されたブランドです。2018年に誕生したこの組織は、単なる製造会社ではなく、クリスチャンセンの生涯にわたる作品群を厳密に管理し、最高の職人技術によって再生・発信することを使命としています。その背景には、日本の宮崎椅子製作所との緊密な協力関係がありました。

ブランド名にある「& Friends」は、デンマークや日本をはじめとする複数の工房やメーカーとのネットワークを表しています。これにより、デザインの真正性と高品質なクラフトマンシップが保証される仕組みが構築されました。宮崎椅子製作所は最初の「友人」として、No.42チェアやペーパーナイフシリーズの復刻を実現し、その成果は国際的にも高く評価されています。また、Brdr. Petersen などデンマーク国内の工房も参画し、製品ごとに最適な製造パートナーを選定する体制が整えられています。

Kai Kristiansen & Friends の特徴は、クリスチャンセン自身の承認を経て生産される「真正性」にあります。彼の哲学は、人間工学に基づいた快適性、素材の誠実な活用、経済性と環境配慮の融合、そして空間全体を意識したトータルデザインに基づいています。この哲学は現代の生産体制に引き継がれ、FSC認証材の使用など持続可能性を重視した取り組みにもつながっています。

今日、Kai Kristiansen & Friends は「ヴィンテージの復刻」という枠を超え、クラシックな名作の再生、新作の発表、未発表デザインの掘り起こしを行うブランドとして、国際的なデザイン市場に独自の地位を確立しています。その存在は、カイ・クリスチャンセンという巨匠のレガシーを守りつつ、21世紀の生活様式に適応するユニークなモデルケースとなっています。


About

Year: 2018–
President: Kai Kristiansen family
Designer: Kai Kristiansen(カイ・クリスチャンセン)
Place: Aarhus(オーフス)


History

1929: Kai Kristiansen、デンマークに生まれる
1948: デンマーク王立芸術アカデミー入学、コーア・クリントに師事
1955: 自身のデザインスタジオを設立
1956: No.42 チェアを発表、Schou Andersen により製造開始
1957: Model 31 ダイニングチェア、FM-Reolsystem 壁面収納を発表
1960年代: Aksel Kjersgaard、Magnus Olesen、Fritz Hansen など多数のメーカーと協業
1970年代: デンマーク家具産業の変化により多くの製品が生産中止
2008: 日本の宮崎椅子製作所と提携、No.42チェアとペーパーナイフシリーズの復刻開始
2010年代: 宮崎椅子製作所との協業により UNI シリーズや Universe ダイニングテーブルを開発
2018: Kai Kristiansen & Friends ApS を設立、息子2人が経営に参加
2019: Entre シリーズ(チェスト、収納、ミラー)を復刻
2020: Brdr. Petersen がネットワークに加わり、一部製品を製造
2021: The Cube No.33 など新作を発表
2022: ブランドの公式ウェブサイトでヴィンテージデザインと現行製品をカタログ化
2023: FSC認証材の採用を強化、持続可能性をブランド戦略の柱に位置づける
2024: 国際市場での展開を拡大し、アジア・ヨーロッパでの評価を確立

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