Story
ステルトンは、1960年にニールス・ステラン・ホムとカートン・マデレールによって設立されたデンマークを代表するデザインメーカーです。創業当初はスポーツ用品の輸入販売を試みましたが、ほどなくしてステンレス製品の分野に進出し、デンマークデザイン史に残る数々の傑作を世に送り出しました。
同社の転機は、ピーター・ホルムブラッドが経営に参画し、義父であるアルネ・ヤコブセンとのつながりを活かして「シリンダライン」を誕生させたことにあります。この製品は幾何学的なフォルムと卓越した機能美を兼ね備え、1967年のID賞を受賞し、ステルトンを国際的に知らしめました。
1977年にはエリック・マグヌッセンの「EM77 バキュームジャグ」が登場し、北欧デザインの代名詞として世界中で愛され続けています。シンプルかつ機能的なその造形は、デンマークデザインの本質を体現するものとして高く評価されています。
その後も、ダニエル・デビアジとフェデリコ・サンドリによる「EMMA」シリーズなど、若手デザイナーとの協働を積極的に進めることで、ステルトンは現代のライフスタイルに寄り添う革新を続けています。
現在では、ニューヨーク近代美術館(MoMA)など世界中の美術館に作品が収蔵され、デンマークデザインを象徴する工房として確固たる地位を築いています。
About
Year:1960-
President:Niels Stellan Høm、Carton Madelaire、Peter Holmblad
Designer:Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)、Erik Magnussen(エリック・マグヌッセン)、Daniel Debiasi & Federico Sandri(ダニエル・デビアジ&フェデリコ・サンドリ)
Place:Copenhagen(コペンハーゲン)
History
1960:ニールス・ステラン・ホムとカートン・マデレールがステルトンを設立
1962:ステンレス工房「Danish Stainless」と提携し、初のソースポットを発表
1963:国内市場でヒット商品となり、国外展開の足掛かりを築く
1964:ピーター・ホルムブラッドが参画し、経営戦略を刷新
1965:アルネ・ヤコブセンに製品デザインを依頼
1967:シリンダラインを発表し、ID賞を受賞
1968:シリンダラインがニューヨーク近代美術館に収蔵
1970:欧州主要市場に輸出を拡大
1972:シリンダラインが「デンマークデザインの象徴」として国際的に評価される
1975:北米市場への進出を強化
1977:エリック・マグヌッセンが「EM77 バキュームジャグ」をデザイン
1980:EM77が世界的ベストセラーとなり、北欧デザインの代名詞となる
1985:ステンレス製品からテーブルウェア、キッチンウェアへと展開を拡大
1990:デンマーク国外のデザイン賞を多数受賞
1995:シンプルで機能的な新ラインを発表し、ブランドを再評価させる
2000:世界50カ国以上に販売網を確立
2005:リグティグ(Rig-Tig)というサブブランドを立ち上げ、持続可能性を強調
2010:ダニエル・デビアジ&フェデリコ・サンドリによる「EMMA」シリーズを発表
2012:北欧デザインの回顧展でステルトン作品が多数展示
2015:環境対応素材を導入し、持続可能な製品ラインを拡充
2017:Pure Blackナイフシリーズを発表
2019:ストックホルム・コレクションがスカンジナビア市場で高評価を得る
2020:創業60周年を迎え、限定記念コレクションを発表
2021:MoMAをはじめとする世界の美術館でステルトン製品が改めて紹介される
2022:Pilastroグラスウェアコレクションを発表
2023:若手デザイナーとのコラボレーションを強化し、現代的なテーブルウェアを発表
2024:世界的ブランドとしての地位を再確認し、北欧デザインのアイコンとして再評価される
Furniture
・Cylinda-line | シリンダライン
・EM77 Vacuum Jug | EM77 バキュームジャグ
・Emma Series | エマシリーズ
・Rig-Tig Kitchenware | リグティグ キッチンウェア
・Stockholm Collection | ストックホルム コレクション
・Pure Black Knives | ピュアブラック ナイフシリーズ
・Collar Collection | カラー コレクション
・Pilastro Glassware | ピラストロ グラスウェア