Work Table | ワークテーブル


About

Designer: Børge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)
Manufacturer: Erhard Rasmussen(エアハルト・ラスムッセン)
Year: 1954
Material: Teak, Cherry
Size: W190 × D69 × H66


Story

このワークテーブルは、ボーエ・モーエンセンが機能主義からより彫刻的な表現へと移行した過渡期に生み出された重要な作品です。天板には堅牢で美しいチーク材を用い、脚部には6本の彫刻的なV字型チェリー材を採用し、素材のコントラストと造形の軽快さが際立ちます。

モーエンセンは「人々のための家具」を掲げ、質実で正直なデザインを追求しました。この作品においても、不要な装飾を避けながら、視覚的な動きと安定性を融合させています。V字型脚は軽快な印象を与えると同時に、機能的な強度を備え、モーエンセンの進化する美学を象徴しています。

制作を担ったのは、名高いキャビネットメーカー、エアハルト・ラスムッセンです。1930年代末から続く両者の協業は、コペンハーゲン家具職人組合展でも高い評価を受けてきました。このテーブルも大量生産品ではなく、限定的に制作された特別な作品であり、その技術と造形美は高い芸術的価値を持ちます。

また、高さ66cmという特異な寸法は、ダイニング用途ではなく、ライブラリーや作業机としての使用を意図したものです。生活空間や身体性に即した設計は、モーエンセンの哲学を如実に示しています。

今日、このテーブルはモーエンセンの創造的な転換期を物語る作品として、またデンマークモダンの中で素材の誠実さと美学の調和を体現する傑作として位置づけられています。

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