ハンス・J・ウェグナー作「CH621 スウィベルチェア」復刻

1948年にデザインされたハンス・J・ウェグナーの希少な回転椅子「CH621 スウィベルチェア」が、2024年にカール・ハンセン&サンによって復刻されました。ウェグナーが生涯で手掛けた約500脚の椅子のうち、回転機構を備えた作品はわずか5脚しか存在せず、そのひとつである本作の再登場はデンマークモダンの歴史における重要な出来事とされています。

 

 

オリジナルは木材とスチールを組み合わせた実験的な構造を持ち、高さ調整にはネジ式スピンドルを採用していました。今回の復刻版では、ガスリフト機構や安定性の高い5本脚ベースを備え、人間工学的な快適性と現代の安全基準を満たす仕様へと進化しています。フレームにはブラッシュドステンレススチール、木部にはFSC™認証オーク材を使用し、張地はレザーまたはファブリックから選択可能です。持続可能性にも配慮された素材構成となっています。

 

 

復刻の背景には、世界的な在宅勤務の広がりがあります。カール・ハンセン&サンのCEOクヌッド・エリック・ハンセン氏は、ウェグナーが追求した「人間工学」と「機能性」がホームオフィス時代にこそ最適であると語り、復刻を決断しました。オリジナルの精神を尊重しつつも現代に適合させる「生きたクラシック」として再定義された点に、この復刻の意義があります。

 

「CH621 スウィベルチェア」は、過去のアーカイブに眠る希少なデザインを単に再現するのではなく、現代のワークスタイルに適応する椅子として蘇りました。ウェグナーの革新性がいまなお響き続けることを証明する復刻であり、デンマークモダンの普遍的な力を新たに示す象徴となっています。

 


CH621 スウィベルチェアとは

ハンス・J・ウェグナーが1948年にデザインした回転椅子です。オリジナルはPlanmøbel(プランモブラー)により製作されたSwivel Chair B621です。木材とスチールを融合させた構造を特徴とし、当時としては先進的な実験的作品でした。復刻版ではガスリフト機構や5本脚ベースを備え、人間工学と持続可能性を重視した仕様へと進化しています。現代のホームオフィスに適した「生きたクラシック」として再評価されています。

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