RY21 Wall Rack | ウォールラック


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: RY Møbler(ロユ・モブラー)
Year: 1954
Material: Oak
Size: W1000 × D265 × H340 mm


Story

RY21は、壁面を機能的収納へと転換するという思想のもと設計されたウォールラックです。床置き家具とは異なり、空間を占有せずに収納とディスプレイを成立させる点に、このモデルの本質があります。

両側板と棚板、そして上部の横架材によって構成される造形は、極めて単純でありながら、構造的必然性に裏打ちされています。側板はわずかに傾斜を持ち、視覚的な軽やかさと安定性を同時に確保しています。装飾的要素は排除され、構造そのものが意匠として成立しています。

背面には壁掛けを前提とした構造が備えられ、壁面に取り付けた金具へ引っ掛ける方式が採用されています。これにより、正面からは固定金具が見えず、浮遊するような佇まいが生まれます。この処理は、ウェグナーが重視した「誠実な構造」の思想を体現しています。

RY21は、同シリーズのRY22、RY23、RY24と寸法体系を共有し、複数を水平に並べることで壁面に一定のリズムを生み出します。単体で完結しながらも、組み合わせによって空間構成を拡張できる点に、モジュール思想の萌芽が見て取れます。

壁面を建築的要素として捉え直すこの設計は、収納家具でありながら空間設計の一部として機能します。RY21は、ウェグナーが椅子だけでなくケースグッズにおいても高い完成度を示したことを明確に示すモデルです。

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