About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1954
Material: Teak, Brass, Upholstered
Size: W1800 × D710 × H780 × SH400 mm
Story
GE270は、ハンス・J・ウェグナーが1954年にGETAMAのためにデザインしたソファシリーズです。同社との協働関係の中で、量産家具でありながら構造美を明確に示すことを目指したモデルとして位置づけられます。
本作の特徴は、軽快なフレーム構成と真鍮金具による背の支持構造にあります。背もたれは木部フレームに直接固定されるのではなく、真鍮パーツによって支持される設計です。この構造により、背がわずかに浮いたように見える視覚効果が生まれ、木材と金属の対比が意匠として成立しています。
アームは前方へ向かって薄くテーパーし、側面から見た際に鋭い水平線を描きます。脚部は細身で、床に向かって自然に絞られています。前脚からアーム、後脚へと連続するラインは一筆書きのように整理され、視覚的な重心を低く保ちながらも軽やかな印象を与えます。
座面はベルト支持構造の上にクッションを置く形式で構成されています。クッション内部にはスプリング構造が用いられ、沈み込みすぎない反発性を確保しています。GETAMAがマットレス製造を背景に持つメーカーであることは、こうした座り心地の設計にも反映されています。
GE270/3は3人掛け仕様として展開され、水平に伸びるチーク材のラインが強調されます。構造を隠すのではなく、必要な金具をそのまま造形の一部として扱う姿勢は、ウェグナーの合理的かつ誠実なデザイン思想を端的に示しています。本作は、デンマーク・モダニズムにおける構造的洗練を体現したソファの一つです。
