About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1955
Material: Oak or Teak, Upholstered
Size: W680 × D760 × H780 × SH400 mm
Story
GE240は、1955年にハンス・J・ウェグナーがGETAMAのためにデザインしたイージーチェアです。丸みを帯びたアーム形状から「Cigar Chair(シガーチェア)」の愛称で知られています。量産を前提としながらも、木工的完成度と快適性を両立した、GETAMAとの協業を象徴する代表作です。
最大の特徴は、中央がふくらみ両端へと穏やかに細くなるアームレストです。無垢材を削り出して形成されたその曲線は、視覚的な柔らかさと握りやすさを兼ね備えています。細身で角を落としたフレーム構成により、同社のGE290と比較して軽快で有機的な印象を空間に与えます。
構造面では、GETAMAが培ってきた張り構造技術が活かされています。座面フレームにはSバネ(S字スプリング)が張られ、その上にスプリング内蔵クッションを組み合わせる構成です。Sバネが横方向にしなやかな弾性を生み、クッション内部のスプリングと連動することで、沈み込みすぎない安定した支持力を実現しています。長時間の着座においても体圧が分散され、自然な姿勢を保ちやすい構造です。
GE240は、彫刻的なアーム造形と合理的な構造が統合されたモデルです。量産家具でありながら工芸的精度を維持し、日常使用における快適性を支えるデザイン思想が貫かれています。ウェグナーの有機的機能主義を体現する代表的作品の一つといえます。

