GE300 Sofa | ソファ


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1960s
Material: Oak or Teak Steel Upholstered
Size: W2650 × D800 × H660 mm


Story

GE300は、ハンス・J・ウェグナーが1960年代にGETAMAのためにデザインしたモジュール型ソファシリーズです。GE290に代表される木部を強調した構成とは異なり、本作では水平ラインを基調とした建築的な造形が前面に現れています。低く抑えられたプロポーションは空間を圧迫せず、長大な幅寸法であっても軽やかな印象を保ちます。

構造は明快です。直線的なボックス状フレームに、独立したクッションユニットを整然と配置することで、視覚的なリズムを形成しています。脚部は木製またはスチール製が存在し、特にスチール脚仕様では、量塊的な本体との対比によって浮遊感が強調されます。構造体と支持体を明確に分節するこの手法は、ウェグナーが一貫して追求した「構造の可視化」の思想を示しています。

GE300シリーズは、1人掛けから5人掛けまで展開され、ユニットを接続することで拡張が可能な設計となっています。接続部は専用金具によって固定され、分解・再構成ができるモジュール構造を採用しています。これは単なる大型ソファではなく、空間計画に応じて再編成できる家具として構想されたことを意味します。

座構造にはスプリングシステムが用いられ、厚みのあるクッションと相まって、安定した支持力と耐久性を両立しています。張地は布・レザー双方に対応しますが、素材の違いによって印象が大きく変化する点も本シリーズの特徴です。広いファブリック面は色彩計画における重要な要素となり、インテリア全体の構成に深く関与します。

GE300は、ウェグナーが量産家具において到達した一つの完成形といえます。装飾を排した水平構成、分解可能なモジュール設計、そして堅牢な内部構造。それらはすべて、機能的合理性と造形美を同時に成立させるという彼の設計思想を体現しています。大型でありながら静謐であり、存在感を持ちながらも空間に溶け込む。この二律背反を成立させる点にこそ、GE300の本質があります。

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