CH53 Stool | スツール


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1966
Material: Oak / Beech, Paper cord
Size: 幅50 × 奥行39–41 × 高さ37・42・45 cm


Story

CH53スツールは、1966年にハンス・J・ウェグナーがデザインした作品で、日常生活に溶け込むシンプルさと高度なクラフトマンシップが調和した代表的なスツールです。

このスツールは、ウェグナーが掲げた「オーガニック・ファンクショナリズム(有機的機能主義)」を体現しています。直線と曲線が絶妙に融合した無垢材のフレームと、熟練した職人による手織りのペーパーコード座面は、実用性と美的魅力を兼ね備えています。日常の中で使い込むほどに素材が馴染み、経年変化が味わいを増していく点も特徴です。

CH53には高さ違いのバリエーションが存在し、37cm・42cmの低いモデルはラウンジチェアCH44のフットスツールとして設計されました。一方、45cmの標準モデルは玄関や寝室、キッチンなど幅広いシーンで多目的に使えるスツールです。この柔軟性は、ウェグナーが椅子単体ではなく「家具同士の調和」まで考慮していたことを示しています。

仕上げはソープ、オイル、ホワイトオイル、ラッカーなど多様で、ナチュラルまたはブラックのペーパーコードと組み合わせることで、幅広いインテリアに適応します。カール・ハンセン&サンは現代においてもFSC認証材を使用し、持続可能性とウェグナーの普遍的な理念を両立させています。

控えめなサイズながらも、CH53スツールはウェグナーのデザイン哲学を凝縮した一脚であり、機能美と職人技を日常に届ける存在です。世代を超えて受け継がれる価値を持つこのスツールは、デンマーク・モダンデザインの精神を今に伝えています。

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