AX Coffee Table Model6900 | AXコーヒーテーブル


About

Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィッツ & オーラ・モルゴー=ニールセン)
Manufacturer: Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)
Year: 1951
Material: Teak, Beech, Mahogany inlay
Size: W120 × D60 × H50 cm


Story

AXコーヒーテーブルは、Hvidt & MølgaardによるAXシリーズの一環として1951年にデザインされました。彼らは戦後のデンマークにおいて、伝統的な職人技と工業化技術を融合させることを使命とし、輸出を強く意識した家具を数多く手がけました。

このテーブルは、AXチェアと同様に「デザインの民主化」を象徴する作品です。戦後の国際的な市場を見据えた設計は、輸送や保管を容易にするための合理的な構造を取り入れており、フラットパック輸送という革新的なアプローチを実現しました。

デザイン面では、直線的で簡潔なフォルムと、素材の異なる組み合わせが特徴です。天板にはチーク材が用いられ、脚部にはブナ材、さらにマホガニーの象嵌が施されています。これらの素材の組み合わせは、当時のデンマークデザインが重視した「素朴な美」と「高精度な加工技術」を見事に体現しています。

製造はフリッツ・ハンセンが担当し、同社はこのAXシリーズで培った成形合板技術を、後のアルネ・ヤコブセンのアントチェアやセブンチェアの大量生産に応用しました。AXコーヒーテーブルは、デンマーク家具が国際的に躍進するための基盤を築いた象徴的な存在として評価されています。

今日においても、AXコーヒーテーブルはデンマークモダンの革新精神を象徴する作品であり、クラシックデザインとして再評価されています。

 

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