GE500 Sofa | GE500 ソファ


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1970
Material: Oak, Chrome-plated Steel, Textile or Leather
Size: Sofa W206 × D80 × H75 × SH41 cm


Story

GE500シリーズは、ハンス・J・ウェグナーが1970年前後に発表した、GETAMA社との協働の中でも特に造形的完成度の高いモデルです。本作の本質は、異素材の融合そのものよりも、堅牢なオーク無垢材フレームの意匠と構造美にあります。

厚みのあるオーク材によって構成されたフレームは、水平・垂直のラインを強調しながら明快な骨格を形成しています。アームから脚部へと連続する木部は、視覚的な安定感を生むだけでなく、荷重を合理的に分散する構造体として機能します。1950年代の有機的で軽快なフォルムとは異なり、本作では量感と直線性が強調されており、1970年代的な緊張感と静けさが空間に生まれます。

クロームメッキのスチール脚は構造補助として機能しながら、木部の存在感を引き締める要素となっています。主役はあくまでオーク無垢材であり、金属はその緊張を際立たせるアクセントです。異素材の対比よりも、木構造の完成度こそがGE500の核心といえます。

イージーチェアモデルにはキャスターが備えられており、1970年代の住空間に求められた可動性にも応えています。重量感のあるオークフレームでありながら、空間の再構成を可能にする機動力を備えている点は、当時のライフスタイルの変化を反映した設計思想といえます。静的な彫刻性と動的な機能性が同居する点に、GE500の独自性があります。

GE500は、クラフト志向の1950年代からインダストリアル志向の1970年代へと至る、ウェグナーの思想的発展を体現するモデルです。木材への深い理解を基盤としながらも、新しい素材や時代の要請に柔軟に応答する姿勢は、彼が常に「現在進行形」のデザイナーであったことを物語っています。オーク無垢材の存在感を軸に、構造合理性と視覚的均衡を両立させた一作として、多様な空間での活用が期待されます。


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