GE215 Easy Chair | イージーチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1955
Material: Oak, Steel, Upholstered
Size: W720 × D800 × H760 × SH400 mm


Story

GE215は、1955年にハンス・J・ウェグナーがGETAMAのためにデザインしたラウンジチェアです。本作は、木工を基盤としてきたウェグナーが、スチール構造を明確に取り入れた点に特徴があります。素材の対比を意図的に用いながら、全体として均整の取れた構造体へとまとめ上げたモデルです。

脚部は交差するX字構造を持ち、いわゆるソバック型の支持形式を採用しています。スチールフレームによって細い断面でも十分な強度を確保し、座面を安定して支える設計です。構造は外観にそのまま表れ、どの部材が荷重を受け、どの部材が保持するのかが視覚的に理解できる明快さがあります。

アームレストには無垢のオーク材が用いられ、手に触れる部分に温度感を与えています。木部は滑らかな曲線で整形され、直線的なスチール骨格との対比を形成します。この異素材の組み合わせは装飾ではなく、機能の整理から導かれた構成です。素材ごとの役割分担が明確であることが、本作の完成度を高めています。

クッションは厚みを持ち、内部構造によって適度な反発と支持性を両立しています。GETAMAはマットレス製造を背景に持つメーカーであり、その技術的蓄積が座り心地にも反映されています。座面はやや低めに設定され、身体を預ける姿勢を自然に導く設計です。

GE215は、木工の伝統と工業素材の合理性を同一の秩序で統合したモデルです。構造の明快さと素材の誠実さが両立し、過度な装飾を排した造形が空間の中で静かな存在感を示します。ウェグナーのデザイン思想が、素材の再解釈を通して具体化された一脚です。

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