CH1 Side Chair | サイドチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1971
Material: Beech Upholstered
Size: W520 × D560 × H780 × SH450 mm


Story

CH1(SA102)は、1971年のSalesco機関用家具カタログに掲載されたモデルであり、一般住宅向けではなく公共施設やオフィス空間を想定して設計されたサイドチェアです。ウェグナーとカール・ハンセン&サンの長年にわたる協働の中でも、後期に位置付けられる一作であり、1950年代の有機的表現とは異なる、より簡潔で合理的な造形言語が見て取れます。

フレームにはビーチ材が用いられています。ビーチはデンマークで広く流通する広葉樹であり、緻密な木理と高い強度を兼ね備えています。機関用家具に求められる耐久性と量産性を両立するための素材選択であり、構造そのものが実用性を前提として設計されています。

座面はルーズクッション仕様です。固定張りではなく取り外し可能な構成とすることで、長時間使用における快適性とメンテナンス性の双方に配慮しています。堅牢な木製フレームと可変的なクッション構造の組み合わせは、支持力と柔軟性を適切に両立させています。

背もたれは緩やかに湾曲したトップレールを持ち、視覚的には簡素でありながら、身体を自然に受け止める形状に整えられています。曲線は装飾ではなく、人間工学的配慮によって実現されています。公共空間に置かれることを前提としながらも、ウェグナーの一貫した人間中心の設計思想が静かに貫かれた一脚です。

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