GE40 Sofa | ソファ


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1970
Material: Oak, Upholstered
Size: W2160 × D740 × H720 × SH410 mm


Story

GE40は、ハンス・J・ウェグナーが1970年に発表したソファであり、1950年代に確立した構造美を基盤としながら、より包容力のある安楽性へと重心を移した後期の重要作です。GETAMAとの長年の協業によって培われた量産技術と木工精度が、成熟した設計思想のもとで統合されています。

本作の最大の特徴は、張り込みによって形成されたアーム構造にあります。初期のGE290のように木製アームを明確に露出させる構成とは異なり、GE40ではアームが座と背のボリュームと連続する面として処理されています。この設計により、肘を預ける、身体を横に流す、頭を支えるといった複数の姿勢が自然に成立します。視覚的な密度は高まっていますが、形態は過度に装飾的ではなく、あくまで構造の必然から導かれた面構成です。

フレームには厚みのあるオーク無垢材が用いられ、背面には力強い縦桟が配されています。これは長大なスパンを安定させるための構造要素でありながら、同時に背面の造形的リズムを形成する意匠でもあります。ウェグナーが重視した「後ろ姿の完成度」はここでも厳格に守られており、壁付けに限定されない配置自由度を獲得しています。

座面および背面クッションには、GETAMAがマットレス製造で培った内部構造技術が活かされています。単純なフォーム積層ではなく、荷重分散を前提とした構成によって、長時間の着座でも支持力が持続します。身体は適度に沈み込みながらも底付きせず、背との角度によって自然な安楽姿勢へと導かれます。

GE40は、軽快さを追求した1950年代のモデルとは異なり、空間の中心に据えられる「核」としてのソファを再定義した作品です。構造の厚み、連続する面、包み込むアームという要素は、1970年代の住環境に求められた心理的な安定感を体現しています。形式の新奇さではなく、生活条件の変化に応じて設計を更新する誠実さこそが、本作の価値を支えています。

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