AP20(CH72) Mini Bear Sofa | ミニベアソファ


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: AP Stolen(APストーレン) / Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1952
Material: Oak, Beech, Teak, Fabric, Leather
Size: W130 × D75 × H85 cm / SH42 cm


Story

ミニベアソファは1952年にハンス・J・ウェグナーがデザインし、AP Stolen社によって製造が始まりました。1951年に誕生したパパベアチェア(AP19)の系譜に連なる作品であり、その特徴的な「ポー(熊の手)」を備えたアームレストが小型のソファに見事に取り入れられています。

パパベアチェアの包容力を凝縮しながらも、2人掛けソファという実用性を兼ね備えたミニベアソファは、家庭空間においても公共空間においても柔軟に使える設計思想が反映されています。背と座が一体となる流麗なフォルムは、見る角度によって異なる表情を見せ、まさに「機能する彫刻」としての存在感を放っています。

内部構造には無垢材のフレームとスプリング、馬毛やコットンなどの天然素材が積層され、快適さと耐久性を両立していました。この伝統的な張り込み技術は、ウェグナーのデザイン哲学を体現するとともに、AP Stolen社の職人技術の高さを物語っています。

1977年のAP Stolen社の閉鎖により一旦生産は途絶えましたが、2018年にCarl Hansen & Søn社によって復刻され、CH72として現行生産が行われています。復刻版では内部にウレタンフォームを採用するなど現代的な仕様へと変化しましたが、外観のフォルムは忠実に再現されており、巨匠のデザインを現代の生活に取り入れることができる製品として注目を集めています。

ヴィンテージのAP20と現行のCH72は、どちらも同じデザインDNAを持ちながら、内部構造や素材の違いによって異なる魅力を備えています。AP20はデンマークモダン黄金期の職人技の証しとして、CH72は巨匠のデザインを日常的に楽しむための選択肢として、それぞれ独自の価値を持っています。


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