AP50 Armchair mini | アームチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: AP Stolen(APストーレン)
Year: 1962
Material: Oak, Teak
Size: W64 × D58-59 × H80-81 cm / SH45 cm


Story

AP50 Armchair mini は、ハンス・J・ウェグナーが1962年にデザインしたアームチェアであり、AP Stolen社の張りぐるみ技術を背景に誕生しました。この椅子は単なる縮小版ではなく、ダイニングやデスクなど活動的なシーンを意識した設計思想のもとに生まれています。

フレームにはオークやチークの無垢材が用いられ、堅牢でありながら軽やかな印象を与えるプロポーションを持っています。側面から見ると、座面がまるで浮いているかのような独特の構造が採用されており、彫刻的でありながらも視覚的に軽快さを保っています。

ウェグナーが提唱した「オーガニック・ファンクショナリズム(有機的機能主義)」は、この椅子においても顕著に表れています。過度な装飾を排した造形と、日常的に使いやすい快適性の融合は、彼が追求した「用の美」の精神そのものです。

AP50 Armchair mini は、背もたれの角度や奥行きが浅めに設定されており、正しい姿勢を促す人間工学的な設計が特徴です。ラウンジチェアのようにくつろぐのではなく、食事や読書、作業といった「活動する時間」に最適化された椅子です。

また、AP Stolen社が1976年に廃業したことで、この椅子は今日では希少な存在となりました。オリジナルのAP Stolen製品に刻まれた刻印や「Danish Furnituremakers Control」のラベルは、当時の高い品質基準と職人技の証として重要な意味を持っています。


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