About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: AP Stolen(APストーレン) / Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1965
Material: Oak, Walnut, Teak, Rosewood
Size: W193 × D79 × H75 cm / SH41 cm
Story
AP63ソファは、1965年にハンス・J・ウェグナーによってデザインされ、AP Stolen社により製造された作品です。直線的で建築的なフレームと、羽毛を使用したクッションによる柔らかな座り心地の対比が特徴であり、彼の「オーガニック機能主義」を体現した代表的なソファのひとつです。特にチークやローズウッドを用いた初期モデルは、ミッドセンチュリーの贅沢さとクラフトマンシップを象徴しています。
本作は1人掛けから4人掛けまでのモジュラー展開がなされ、住空間に応じた柔軟な構成を可能としました。組立式の構造や内部に組み込まれたスチールフレームなど、実用性と耐久性を両立させる設計も見逃せない要素です。また、脚部に施された「EYE」ディテールはAP Stolen製のオリジナルを識別する重要な特徴です。
AP Stolen社の倒産後、このソファは長らく製造されていませんでしたが、2013年にCarl Hansen & Søn社が復刻を手掛け、CH162(二人掛け)およびCH163(三人掛け)として再生しました。復刻版ではオークやウォールナットを中心に、現代の持続可能な素材選択と高い製造基準に合わせて改良されています。
アームレスト上部の拡大された木製キャップは、単なる構造的要素を超え、デザインの焦点として再解釈されています。張り替えを容易にするという機能性も兼ね備え、ウェグナーの設計思想が現代の生活にも活きています。
AP63 / CH163ソファは、ヴィンテージと現行の両方で高い評価を受けており、デンマークデザインの遺産を象徴する存在となっています。シンプルさと快適さ、そして誠実な素材使いが融合したこのソファは、世代を超えて愛され続けるモダンクラシックといえるでしょう。
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