RY402 Bed | ベッド


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: RY Møbler(ロユ・モブラー)
Year: 1960
Material: Oak / Teak
Size: W2000 × D1000 × H820 mm(100cm幅仕様)


Story

RY402は、ハンス・J・ウェグナーがロユ・モブラーのために設計したベッドシリーズの上位仕様にあたるモデルです。カタログではRY401と対になる存在として整理され、200×85cm、200×100cm、200×140cmのマットレス寸法に対応していました。RY401がハイボード1枚構成であるのに対し、RY402はヘッドボードとフットボードの双方に高いスラット構造を備えています。

この格子状ボードは、視覚的な軽さと構造剛性を同時に成立させるための合理設計です。縦横の桟は過度に強調されることなく、水平ラインを明確に示しながら空間に秩序を与えます。装飾ではなく比例と構造によって成立する造形は、ウェグナーの設計思想を端的に表しています。

フレームは精度の高い差し込み式ジョイントで構成されています。サイドレールと前後ボードは木材同士の嵌合によって固定され、金属部品の使用は最小限に抑えられています。分解可能でありながら安定性を確保する構造は、都市住宅における搬入性と耐久性を両立させるための合理的判断でした。

底部は「spring bottom」または「slatted bottom」から選択可能でした。用途に応じた仕様選択ができる点も、本作が単なる造形物ではなく、生活のための道具として設計されていることを示しています。

脚部はわずかにテーパーを持つ円柱形状で、床面からフレームを持ち上げることで軽快な印象を与えます。無垢材構造でありながら圧迫感を抑える処理は、家具を建築的要素として扱うウェグナーの視点を反映しています。

装飾を排し、構造と比例のみで成立するRY402は、1960年前後のデンマーク・モダニズムが到達した一つの完成形です。ウェグナーとロユ・モブラーの協働が生んだ、静かな合理性を体現するベッドと言えます。

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