About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1959
Material: Oak, Teak, Leather
Size: 幅61 × 奥行き50 × 高さ72 cm / 座面高44 cm
Story
CH35アームチェアは、1959年にハンス・J・ウェグナーがデザインし、カール・ハンセン&サンによって製造された作品です。機能主義、クラフツマンシップ、そして北欧デザインの感性が融合した典型的なミッドセンチュリーモダンの椅子として位置づけられます。
最大の特徴は、背もたれからアームへと滑らかに繋がる有機的な曲線と、美しく先細りする脚部です。この一体感あるデザインは、単に快適さを追求するだけでなく、空間に彫刻的な存在感を与えています。
また、CH35は「ザ・チェア」(JH501)の系譜に属する作品であり、ウェグナーが追い求めた「純化と簡素化」のプロセスの一環と見ることができます。ザ・チェアの力強い表現をさらに洗練させ、よりミニマルで軽快なスタイルへと昇華させた椅子です。
素材にはオークやチークの無垢材が用いられ、張り地にはレザーが選ばれました。これらの素材は、使用とともに経年変化を重ね、椅子それぞれに固有の風合いを宿していきます。接合部を隠さずに見せる構造は、ウェグナーが職人技を称える哲学をそのまま形にしたものです。
座面高は約44cmとダイニングチェアやデスクチェアに適した設計であり、その人間工学的な快適性も高く評価されています。生産数が限られているため希少性が高く、今日ではコレクターズアイテムとして特別な価値を持つ椅子です。

