GE705 Bed | ベッド


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA
Year: 1967
Material: Teak or Oak, Rattan, Upholstered


Story

GE705は、1967年にハンス・J・ウェグナーがGETAMAのためにデザインしたベッドです。椅子の巨匠として知られるウェグナーですが、本作は寝具という生活の根幹に向き合った数少ないプロダクトのひとつです。木構造と空間構成を一体として捉える彼の思想が、ベッドという大型家具において明快に示されています。

最大の特徴は、建築的な構成にあります。左右に分割されたベースユニットを連結する構造を採用し、大型でありながら搬入や設置に配慮されたモジュール設計となっています。フレームは床面からわずかに浮くように設計され、重量感を抑えた視覚的な軽やかさを実現しています。

ヘッドボードには籐(ラタン)パネルが組み込まれています。これは装飾ではなく、通気性を確保するための機能的要素です。木部の量塊感に対し、編み込みによる透過性が加わることで、寝室空間に奥行きと軽快さをもたらします。素材の選択と構造的必然性が一致している点に、ウェグナーらしい合理性が見て取れます。

両側に取り付けられるナイトテーブルは片持ち構造で設計され、床面を遮らない構成となっています。天板には着色ガラスが用いられ、木部との対比によって静かな緊張感を生み出しています。ベッド本体と一体化した構成は、単体家具ではなく「寝室の建築」としての性格を強めています。

フレームにはチークまたはオークが用いられます。チークは豊かな油分と落ち着いた色調を備え、オークは明快な木目と構造的な強さを特徴とします。いずれも素材の質感を前面に出した設計であり、過度な装飾を排した構成は、現在の住空間においても十分な普遍性を持っています。

GE705は、機能と造形が分離しないデザインの好例です。大型家具でありながら、構造の明快さと素材の誠実さによって空間を静かに整えます。本作は、ウェグナーの思想が寝室という私的空間にまで拡張された、重要なプロダクトといえるでしょう。

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