GE290A High Back Chair | ハイバックチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: GETAMA(ゲタマ)
Year: 1953
Material: Oak or Afromosia Teak, Upholstered
Size: W760 × D890 × H950 × SH420 mm


Story

GE290A High Back Chairは、ハンス・J・ウェグナーが1953年にデザインしたGE290シリーズのハイバックモデルです。厚みのある無垢材を用いた明快なフレーム構成から、“Plank Chair”の名で知られるシリーズの思想を最も強く体現する一脚です。

前脚からアーム、そして後脚へと連続する直線的なラインは、視覚的な力強さと構造的合理性を同時に成立させています。とりわけ後脚から背へと伸びる傾斜は、荷重を効率的に受け止める支持構造でありながら、全体のプロポーションを引き締める造形要素として機能しています。背面に配された水平桟は、クッションを支える構造体であると同時に、背面意匠として整然としたリズムを形成します。

ハイバック仕様であるGE290Aは、頭部までを支える設計により、安静姿勢を前提とした快適性を備えています。座面は後方に向かって緩やかに傾斜し、背もたれとの関係性の中で自然な重心移動が生まれる構成です。身体を深く預けた際にも、骨格に無理のない角度が保たれるよう配慮されています。

クッション構造は製造年代により仕様が異なりますが、初期にはスプリング内蔵タイプが採用され、その後フォーム構造へと移行します。いずれもフレームとクッションを分節化した設計であり、長期使用と更新を前提とした合理的な思想が貫かれています。

GE290Aは、工房的精度と量産体制を両立したGETAMAとの協働によって実現しました。職人技に根ざしながらも、構造を明示する簡潔な造形と耐久性を重視した設計により、日常生活の中で永続的に機能する椅子として完成しています。過剰な装飾を排し、素材と構造そのものを意匠とするこのモデルは、ウェグナーの機能主義的美学を端的に示す存在です。

(左)前期モデル / (右)後期モデル

PAGE TOP