JH800 Side Table | サイドテーブル


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: Johannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)
Year: 1960
Material: Teak, Oak, Rattan, Slate, Steel
Size: W 55 × D 45 × H 50 cm


Story

JH800 サイドテーブルは、デンマークデザインの巨匠ハンス・J・ウェグナーによって手がけられ、ヨハネス・ハンセン工房により製造された作品です。この小ぶりなテーブルは、彼の家具哲学を凝縮した存在であり、実用性と美しさを兼ね備えた「デンマークモダン」の典型例といえます。

ウェグナーは「家具はシックである以前に、快適で頑丈でなければならない」という信念を持ち、必要最小限の要素に純化されたデザインを追求しました。その理念は椅子だけでなくテーブルの設計にも反映され、JH800では「使いやすさ」「軽快さ」「視覚的な美しさ」が調和しています。

JH800シリーズにはいくつかのバリエーションが存在します。天板にスレートを用い、脚部にスチールを組み合わせた異素材構成のモデルや、チークの天板と棚板をオークフレームに組み合わせた二段式のモデルなど、多様な展開が見られます。また、棚板に籐(ラタン)を採用したタイプもあり、木材のみの構成に比べて軽快さと通気性を備えた独自の雰囲気を醸し出しています。

製作を担ったヨハネス・ハンセン工房は、デンマーク家具の黄金期を支えた名門であり、ウェグナーの数多くの代表作を手掛けてきました。精緻な接合技術と素材への深い理解を基盤にしたその職人技は、JH800の細部にも息づいています。木材の扱いにおける巧みさや、指接ぎ・ほぞ接ぎといった伝統的技術を駆使した堅牢な構造は、単なる小型テーブルに留まらず、長期にわたり愛用できる家具としての信頼性を確立しました。

ウェグナーとヨハネス・ハンセンの協働は、デンマークモダンの美学を象徴するものです。JH800 サイドテーブルは、その中でも生活のさまざまな場面に寄り添い、実用性と彫刻的な美しさを兼ね備えた、極めてユニークな存在といえるでしょう。

 

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