PP240 Conference Chair | カンファレンスチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: PP Møbler(PPモブラー)
Year: 1990
Material: Oak, Ash, Cherry, Leather, Fabric
Size: W67 × D61 × H89 cm / SH44 cm / AH66 cm


Story

ハンス・J・ウェグナーが75歳を迎えた1990年にデザインしたPP240カンファレンスチェアは、彼のキャリア後期における革新的な試みのひとつです。この椅子は「非常に快適な直立姿勢の座り心地」を提供することを目的としており、従来の会議用チェアの概念を刷新しました。イージーチェアの快適さを直立姿勢に昇華させた設計は、フォーマルな場面でも長時間快適に使用できるよう配慮されています。

 

PP240の特徴は、オーク・アッシュ・チェリーといった無垢材を用いた堅牢なフレームと、布地または革張りの背と座を組み合わせた構造にあります。張地にはKvadratのファブリックやSørensenのレザーなど多彩な選択肢が用意されており、利用者の好みに応じたカスタマイズが可能です。また、ソープ仕上げやオイル仕上げ、ラッカー仕上げなど複数の木部仕上げがあり、使うほどに経年変化の美しさが際立ちます。

この椅子は、カンファレンス用途にとどまらず、ダイニングやデスクチェアとしても活用できる多用途性を備えています。現代の住空間やワークスタイルにおいても、こうした多機能性は高く評価されており、PP240は30年以上経った今もなお普遍的な魅力を放ち続けています。

製造を担うのは、デンマークの工房PPモブラーです。同工房は「手作りで長持ちする家具」を理念に掲げ、ウェグナーの複雑な接合技術を忠実に具現化しています。PP240には真正性を保証するラベルや証明書が付属し、本物であることを保証すると同時に、その希少性と価値を高めています。年数回のみの限定的な生産体制は、クラフトマンシップを守りながら排他性を確保し、デザインアイコンとしての地位を支えています。

PP240は、デザインの純粋さ、快適性、耐久性を兼ね備えたウェグナーの哲学の結晶であり、彼の生涯にわたる椅子デザインの探究が集約された作品と言えるでしょう。

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