RY26 Sideboard | サイドボード


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: RY Møbler
Year: 1953
Material: Teak, Oak or Palisander, Cane (optional), Steel (legs option)
Size: W2000 × D490 × H790 mm


Story

RY26は、ハンス・J・ウェグナーがRY Møblerとの協働により手掛けたサイドボードです。1950年代初頭に発表された本作は、有機的機能主義の思想を収納家具へと展開した重要なモデルとして位置付けられます。

外観は極めて端正で、無駄な装飾を排した水平構成が印象的です。引き違い扉はプレーン仕様と籐張り仕様が選択可能であり、素材の対比によって視覚的な軽やかさを生み出しています。籐(ラタン)仕様は通気性を確保しながら、木質の量感をやわらげる役割も担います。

脚部は丸脚の無垢材仕様、あるいはスチール脚仕様が展開されました。丸脚は空間に柔らかさと浮遊感を与え、スチール脚はより軽快で現代的な印象をもたらします。ベースは安定性を重視した構造で、本体の水平ラインを明確に支えています。

内部は可動棚と複数段のトレー引き出しによって構成されます。浅型のトレーは整理収納に適しており、用途に応じて取り外しも可能です。左右のセクション分割やオープン棚構成など、実用性を重視した合理的な設計がなされています。

素材はチーク、オーク、パリサンダーが展開されました。外装と内装で異なる木種を組み合わせる仕様も存在し、扉を開いた際に内部が明るく見える構成が意図されています。素材の対比は視覚的効果にとどまらず、収納物の視認性にも寄与します。

本作は単なる収納家具ではなく、空間の水平ラインを整える建築的要素として設計されています。天板はサービングやディスプレイにも活用でき、住空間における中心的な存在となります。

接合やディテールの処理には、ウェグナー特有の誠実さが表れています。框組構造、滑らかなスライド機構、控えめな取手処理など、細部に至るまで一貫した設計思想が貫かれています。

RY26は、デンマーク・モダンにおける収納家具の完成度を示すモデルです。機能と造形の均衡、素材の選択、構造の明快さ。そのすべてが、ウェグナーの思想を静かに体現しています。多様な空間での活用が期待される、完成度の高いサイドボードです。

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