AP33S Sofa | AP33S ソファ


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: AP Stolen(APストーレン)
Year: 1956
Material: Beech or Oak Upholstery
Size: W2520 × D820 × H750 mm


Story

AP33S Sofaは、ハンス・J・ウェグナーが張りぐるみ家具の可能性を本格的に追求した1950年代中頃に設計された大型ソファです。製作を担ったのは、コペンハーゲンの椅子張り工房であったAP Stolenです。ウェグナーの木工構造への厳格な思想と、高度な張り技術が融合した代表的なプロジェクトのひとつといえます。

AP33シリーズは、2人掛けから大型4人掛けまで展開されましたが、AP33Sはその中でも幅約2540mmに達する記念碑的なサイズを持つモデルです。ボリュームのある張りぐるみ構造でありながら、全体のラインは流れるように水平へと伸び、圧迫感を抑えたプロポーションに整えられています。ウェグナーは家具を空間の中央に置いた際の背面の美しさも重視しており、背からアームへと連続する曲線は、どの角度から見ても破綻のない造形となっています。

構造面では、強固な木製フレームを基礎とし、その上に伝統的な椅子張り技法が施されています。座面内部には金属製スプリングが組み込まれ、天然素材を多層に重ねることで、適切な反発力と耐久性を確保しています。単に柔らかいのではなく、身体を安定して支える感触を重視した設計です。座面は適切な通気性と保持力を両立しています。

脚部はビーチまたはオーク材で構成され、直線的で簡潔なフォルムが採用されています。張りぐるみのボリュームに対し、脚部を軽やかに見せることで全体の重心バランスを整えています。

AP33Sは、張りぐるみ家具でありながら彫刻的な造形性と構造的合理性を両立したモデルです。ウェグナーが目指した「実用と美の統合」は、この大型ソファにおいても明確に示されています。多様な空間での活用が期待されます。

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