RY18 Upper Cabinet | アッパーキャビネット


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: RY Møbler(ロユ・モブラー)
Year: 1957
Material: Teak or Oak
Size: W1000 × D335 × H1090 mm


Story

RY18は、ウェグナーがRY Møblerのために構想したモジュール式収納システムの中核をなす上部ユニットです。幅100cmを基準とするシリーズ規格に基づき設計され、単体でも成立しながら、下部ユニットとの組み合わせによって空間を体系的に構成できる構造を備えています。

外観は簡潔な直方体で構成され、装飾的要素は排除されています。しかし中央にはドロップフロント式のフラップが設けられ、開くことで書斎機能を内包するセクレタリーとして機能します。閉じれば一枚の静かな面となり、生活空間の秩序を乱しません。ウェグナーが重視した「背景としての家具」という思想が、明確に表れた設計です。

内部は棚と小抽斗によって整理され、作業と収納を同一体の中で完結させる構成です。上段はブックシェルフとして機能し、中央部は書類や小物を整然と収めるために分節されています。機構は控えめでありながら、動作は合理的で、使用時の所作が自然に導かれる寸法関係が整えられています。

奥行を抑えた上部構造は、下部ユニットとの段差によって視覚的な軽さを生み出します。この前後差は圧迫感を軽減し、壁面収納を立体的に構成するための設計上の意図です。上下のユニットは金具によって固定され、安定性が確保されます。

素材はカタログに準拠し、チークまたはオークが用いられました。木質そのものを意匠の主軸とし、構造と面構成の整合によって造形を成立させています。RY18は、装飾によって印象を与える家具ではありません。寸法規格、構造、機能を徹底的に整理することで、空間に静かな秩序をもたらす収納ユニットです。

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