About
Designer: Finn Juhl(フィン・ユール)
Manufacturer: France & Daverkosen(フランス&ダヴァーコセン) / France & Son(フランス&サン) / House of Finn Juhl(ハウス・オブ・フィンユール)
Year: 1961
Material: Teak, Upholstery (Leather/Wool)
Size: W83 × D89 × H93(SH44cm)
Story
モデル152「ブワナ」チェアは、1961年にフィン・ユールがデザインしたラウンジチェアです。デンマーク・モダンデザインの黄金期に誕生したこの作品は、チーフテンチェアに続く新たな探求として位置づけられます。彫刻的で有機的なフォルムを持ちながら、より快適性を重視した設計が特徴です。
「ブワナ(Bwana)」という名称はアフリカの文化に由来し、異文化への深い関心を示しています。背もたれと座面を浮遊するように配置する構造は、ユール独自の「支持と被支持の分離」というデザイン哲学を体現し、軽やかで伸びやかな印象を与えます。
チーク材の堅牢なフレームに、流れるような曲線を描くアーム、そして特徴的な「ポメル」と呼ばれる握り玉を備え、触感と視覚の両面で豊かな体験を提供します。座面はスプリングウェビングと厚みのあるクッションによって支えられ、長時間の着座にも優れた快適性を発揮します。
この椅子はチーフテンチェアの精神を引き継ぎつつ、より日常生活に溶け込む快適さを持つ「洗練された後継作」として評価されます。威厳ある芸術作品であったチーフテンに対し、ブワナは「生活のための芸術」を追求した作品であり、フィン・ユールの成熟したデザイン思想を象徴する存在です。
現在ではハウス・オブ・フィン・ユールによって復刻され、日本の工房との協業を含む高度な職人技で生産されています。ヴィンテージ品は市場で高い評価を受け続けており、復刻版もまた、最高品質の素材と伝統的技術によってユールのビジョンを現代に受け継いでいます。