Søborg Møbler | ソボーグ・モブラー


Story

Søborg Møbler(ソボーグ・モブラー)は、1890年にヤコブ・E・ヤコブセンによってコペンハーゲン郊外で設立された老舗家具メーカーです。創業当初は伝統的な指物師の工房として出発し、木工技術に根ざした高品質な家具を生み出しました。1930年には二代目のアルネとオルラ・ヤコブセンが経営を引き継ぎ、工業化の波に対応しながらも職人技を融合させた近代的生産体制を整備しました。

 

その背景のもと、1940年代から1950年代にかけてコペンハーゲン指物師組合展に積極的に参加し、ボーエ・モーエンセン、モーエンス・ラッセン、ピーター・ホイット&オルラ・モルガード=ニールセンらデンマークを代表するデザイナーと協業しました。特にモーエンセンが設計した「Søborg Chair」は、ソリッドウッドと成形合板を融合させた革新的な作品として知られ、デンマークモダンの象徴的な椅子となりました。

 

Søborgはキャビネットやチェストなどの収納家具でも評価され、都市型住宅の実用性に応えるデザインを数多く生み出しました。1970年代以降も新しいデザイナーを迎えながら活動を続け、今日ではオフィス家具とクラシック家具の双方を手掛け、伝統と現代性を兼ね備えたメーカーとして存続しています。


About

Year:1890-現在
President:Jakob E. Jacobsen、Arne Jacobsen、Orla Jacobsen
Designer:Børge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)、Mogens Lassen(モーエンス・ラッセン)、Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ホイット&オルラ・モルガード=ニールセン)、Christian Hvidt(クリスチャン・ホイット)、Kai Lyngfeldt Larsen(カイ・ラングフェルト・ラーセン)
Place:コペンハーゲン


History

1890:ヤコブ・E・ヤコブセンがコペンハーゲン郊外にSøborg Møbelfabrikを設立
1930:息子アルネ・ヤコブセンとオルラ・ヤコブセンが経営を継承、工房を近代化
1942:モーエンス・ラッセンがコペンハーゲン指物師組合展にマホガニースツールを出品
1944:ボーエ・モーエンセンが「King of Diamonds Chair」「Chinese Cabinet」を発表
1950:ボーエ・モーエンセンが「Søborg Chair」を発表、工業生産と伝統技術を融合
1952:スチールベース仕様の「Søborg Chair」を追加
1953:木製ベース仕様の「Søborg Chair」を追加
1950年代:ピーター・ホイット&オルラ・モルガード=ニールセンがModel 302キャビネット、Model 316/317チェア、ゲートレッグテーブルをデザイン
1950年代:カイ・ラングフェルト・ラーセンが「Japan Chair」Model 501を発表
1970年代:クリスチャン・ホイットがSM03、SM76、SM200ウォールユニットをデザイン
1976:Søborgが収納家具シリーズを拡充、オフィス家具にも展開
1990年代以降:ヴィンテージ市場で高評価を受け、オークションで高値取引が進む
2000年代:Fredericia Furnitureが「Søborg Chair」を再生産、循環型デザインとして評価
現在:オフィス家具とクラシック家具を並行して製造し、伝統と革新を融合させるメーカーとして存続


Furniture

・Søborg Chair
・King of Diamonds Chair
・Chinese Cabinet
・Model 302 Cabinet
・Model 316 Chair
・Model 317 Chair
・Gate-Leg Dining Table
・Japan Chair Model 501 | ジャパンチェア
・Model 526 Chair
・SM03 Wall Unit
・SM76 Wall Unit
・SM200 Wall Unit


Imprint/Label

・初期は「Søborg Møbelfabrik Copenhagen」の刻印やプレートを使用
・1950年代以降、モデル番号(例:Model 302, Model 316)がラベルに明記される
・キャビネットや収納家具には紙ラベルが貼付されることが多い
・ヴィンテージ家具市場では、このラベルの有無が真贋や時代判定の重要な要素となっている

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