Story
デュランドは、デンマークの家具史において「明日のアンティーク(the antiques of tomorrow)」を創造することを理念に掲げた工房です。1960年の設立以来、同社は大量生産の潮流に逆らい、伝統的なキャビネットメーカーの職人技術を堅持してきました。
同社の特徴は、ローズウッドやチークといった貴重な木材の木目を最大限に生かす製造姿勢にあり、オイルフィニッシュによる仕上げは美観と実用性を兼ね備えています。この技術は、長期間にわたり家具を愛用できることを前提とし、持ち主が経年変化を楽しみながら修復し使い続けられるという哲学に基づいています。
デュランドは、Johannes Andersen、Gunni Omann、Erik Buchといったデザイナーとの協働を通じて多彩なコレクションを発表しました。特に「Flip-Flap(Lotus)」テーブルや滑らかな動きを誇るタンブールドア(蛇腹扉)キャビネットは、機能的かつ洗練された構造の象徴とされています。
さらに、同社は役員室向けの重厚なエグゼクティブデスクやバーキャビネットなど、特別な顧客層に向けた家具を数多く製造しました。国家元首や著名人に愛用され、国際的な評価を確立した点でも特筆されます。日本においても長きにわたり高級家具市場で支持され、イトーキとの提携により役員向けコレクションの最上位ラインとして採用されています。
デュランドの哲学は単なる懐古趣味ではなく、真に普遍的な価値を備えたデザインの追求です。その遺産は、デンマークモダンの黄金時代を継承しつつ、未来においても不朽の存在であり続けるものです。
About
Year:1960 – 現在
President:Niels Dyrlund、Jørgen Dyrlund、Bent Møller Jørgensen
Designer:Johannes Andersen(ヨハネス・アンデルセン)、Gunni Omann(グンニ・オーマン)、Erik Buch(エリック・バック)
Place:Rude(ルー)、Denmark(デンマーク)
History
1960:Niels DyrlundとJørgen Dyrlundにより設立
1960年代:高級ホームファニチャーと役員室用オフィス家具の生産を開始
1960年代:Johannes Andersenがサイドボードやワゴンをデザイン
1960年代:Gunni Omannがローズウッドデスクをデザイン
1960年代:革新的な伸長式ダイニングテーブル「Flip-Flap(Lotus)」を発表
1960年代:タンブールドアを採用したキャビネットを展開
1970年代:Erik Buchがバーキャビネットをデザイン
1970年代:オイルフィニッシュ仕上げの普及により「長寿命家具」の評価を確立
1980年代:エグゼクティブデスクや書棚付きデスクを開発し国際的に評価を拡大
1990年代:日本市場において高級家具として認知され、昭和期に広く輸入される
2000年代:Bent Møller Jørgensenがディレクターとして品質哲学を推進
2010年代:30カ国以上に輸出し、ラグジュアリーブランドとして確立
2010年代:イトーキとの提携により日本で役員向け最上位家具として展開
2020年代:引き続き「明日のアンティーク」を理念に、国際市場で展開
Furniture
・Flip-Flap Table(Lotus Table)
・Rosewood Sideboard
・Rosewood Desk
・Rosewood Bar Cabinet
・Tambour Door Credenza
・Tambour Door Sideboard
・Executive Desk with Bookshelf
・Dining Table Teak
・Dining Chairs
・Credenza Rosewood
・Coffee Table Teak
・Bedroom Furniture Collection