Mogens Kold Møbelfabrik | モーエンス・コルド


Story

モーエンス・コルド工房は、デンマーク・モダンの黄金時代を代表する家具メーカーのひとつであり、機能性と美しさを兼ね備えた作品を世界中に送り出しました。工房の背景には、父マーティン・コルドが築いた広大な製材所と木材への深い知識があり、それが高品質な家具製造の基盤となりました。特にチークやローズウッドなどの希少材をふんだんに用いることで、工房は比類なき品質を誇りました。

 

アルネ・ホフマンド=オルセンを中心としたデザイナー陣との協業は、工房の美的アイデンティティを形成しました。シンプルで彫刻的なフォルム、繊細な曲線、そして軽やかな構造を特徴とする家具は、デンマーク国内だけでなく、アメリカやイギリス市場でも高く評価されました。

 

また、イプ・コフォード=ラーセンやルッド・ティゲセン、ジョニー・ソーレンセンといった多彩なデザイナーとの協業も、工房の幅広い製品ラインを支えました。家具はダイニングチェアからラウンジチェア、テーブル、キャビネットに至るまで多岐にわたり、常に高い職人技と美学を融合していました。

 

1970年代にはデンマーク初のデザインセンター設立に尽力するなど、家具製造を超えてデザイン振興にも寄与しました。1990年代初頭に活動を終えるまで、モーエンス・コルド工房は「素材からショールームまで」一貫した強みを持つ工房として、デニッシュ・モダンの隆盛と衰退を映す存在であり続けました。


About

Year:1950-1990年代初頭
President:Mogens Kold、Søren Kold
Designer:Arne Hovmand-Olsen(アルネ・ホフマンド=オルセン)、Ib Kofod-Larsen(イプ・コフォード=ラーセン)、Nanna Ditzel(ナナ・ディッツェル)、Rud Thygesen(ルッド・ティゲセン)、Johnny Sørensen(ジョニー・ソーレンセン)
Place:Kerteminde(ケルトミンデ)、Copenhagen(コペンハーゲン)


History

1914:Martin KoldがKertemindeに製材所を設立
1925:火災後、製材所をCopenhagen港湾地域へ移転
1930年代:デンマーク最大級の広葉樹製材所として拡大
1950:Mogens KoldがMogens Kold Møbelfabrikを設立
1950年代:Arne Hovmand-Olsenとの協業を開始
1958:工房が火災に遭うが、近代的な大規模工場に再建
1959:モデル71チェアを発表し国際的評価を獲得
1960:ヨーロッパやアメリカ市場への輸出を本格化
1962:MK310ダイニングチェアシリーズを発表
1965:ネスティングテーブルなどリビング家具を展開
1967:Rud Thygesen & Johnny SørensenがWelcomeソファを発表
1968:Cubusモジュールソファを発表
1969:Jokerチェアを発表しポストモダン的デザインを展開
1970:Nanna DitzelによるTrisseテーブルを一部製作
1972:デンマーク初のデザインセンター設立に尽力
1975:Adamラウンジチェア(Ib Kofod-Larsen)が評価を受ける
1980:ローズウッドを用いた豪華なキャビネットを製作
1983:国内外での展示会出展が続く
1986:Mogens Koldが息子Søren Koldに経営を継承
1987:国際市場での売上が急落
1989:アメリカ市場での需要が縮小
1990年代初頭:事業を終了


Furniture

・Model 71 Chair
・Model 175 Chair
・Model 240 Lounge Chair
・MK310 Dining Chair
・Nesting Tables
・Adam Lounge Chair | アダムチェア
・Boomerang Rocking Chair | ブーメランロッキングチェア
・Cubus Sofa | キューブスソファ
・Joker Chair | ジョーカーチェア
・Welcome Sofa | ウェルカムソファ
・Trisse Table & Stool | トリッセテーブル&スツール
・Sideboards
・Secretaries
・Coffee Tables with rattan shelves

PAGE TOP