FD148/3 L Settee | ソファ


About

Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィット & オルラ・モルガード=ニールセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1950s
Material: Teak, Fabric
Size: W180 × D78 × H78 × SH42 cm


Story

FD148/3 L Setteeは、Peter HvidtとOrla Mølgaard-Nielsenが1950年代にデザインした3人掛けソファであり、デンマーク・モダンの工業化を象徴する作品です。彼らは伝統的な木工技術を踏まえながらも、工業生産に適したシンプルで洗練された家具を生み出しました。

最大の特徴は「解体可能な構造」にあります。当時、欧米市場へ大型家具を輸出する際には高額な輸送コストが課題でした。このソファは分解して梱包できるよう設計され、輸送効率を大幅に高めることで国際市場に適応しました。こうした仕組みにより、従来は困難だった大型家具のグローバル展開を可能にしています。

フレームにはチーク材が用いられ、細身で軽快なデザインながら高い耐久性を実現しました。背もたれは布張り仕様で、籐(ラタン)仕上げのバリエーションと対を成します。布張りは快適性を重視したモデルであり、よりフォーマルな室内空間に調和する仕立てとなっています。

さらに、FD148シリーズはラウンジチェアや2人掛けを含むモジュール的な展開が行われました。複数のユニットを組み合わせて空間に合わせた構成が可能であり、現代的なライフスタイルに応える柔軟性を備えていました。この発想は、輸送効率を超えて居住空間に多様な可能性を与えています。

製造はFrance & Daverkosen(後のFrance & Son)が担い、高精度な製材技術と工業的生産体制を背景に、大規模な供給を実現しました。この協業により、デンマーク家具は職人中心の制作から工業化へと進み、世界市場での競争力を獲得しました。FD148/3はその転換点を象徴する存在です。

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