FD551/50 Occasional Table | オケーショナルテーブル


About

Designer: Peter Hvidt & Orla Mølgaard-Nielsen(ピーター・ヴィッツ & オルラ・モールゴー=ニールセン)
Manufacturer: France & Daverkosen(France & Son)
Year: 1950s
Material: Teak, Rattan, Metal fittings
Size: W 55 × D 55 × H 50 cm


Story

FD551/50 Occasional Tableは、デンマーク・モダンを代表するデザイナーデュオ、ピーター・ヴィッツとオルラ・モールゴー=ニールセンによって設計されました。彼らは1944年から協働を続け、伝統的な職人技を尊重しつつも、工業化と輸出効率を重視した合理的な家具を数多く生み出しました。本モデルもその代表例として位置づけられます。

このテーブルは、France & Daverkosen(後にFrance & Søn)によって製造されました。同社は1936年の創業以来、国際輸出を志向したビジネスモデルを確立し、1950年代にはデンマーク家具輸出の大部分を担う存在となりました。FD551/50もまた、同社の輸出戦略における重要な成果物の一つでした。

設計上の大きな特徴は、分解・再組立が可能なノックダウン構造です。この方式は輸送効率を飛躍的に高め、世界各国への展開を容易にしました。さらに、接合部には高精度の金属フィッティングが採用され、木材のわずかな収縮や膨張に対応できる調整機構が組み込まれていました。これにより、軽量でありながらも堅牢性が確保されています。

素材には堅牢なチーク材と軽やかな印象を与える籐(ラタン)が選ばれています。チーク材は耐湿性と耐久性に優れ、国際輸送に適した素材でした。籐は通気性や弾力性に優れ、棚板として実用性と装飾性を両立させています。異素材の組み合わせは職人技によって安定化され、美観と機能を両立しました。

FD551/50は、ラウンジや待合室、ワークスペースなど多様な環境で使用されることを意図して設計されました。その簡潔で軽快な造形は、輸出家具としての実用性だけでなく、デンマーク家具が持つ美的価値を国際的に示すものでもありました。今日に至るまで、Hvidt & MølgaardのデザインとFrance & Sønの製造力が融合した成果として高く評価されています。

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