JH509 Armchair | アームチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)
Manufacturer: Johannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)
Year: 1962
Material: Walnut, Teak, Oak, Rosewood, Leather
Size: W66 × D61 × H90 × SH43 cm


Story

JH509アームチェアは、ハンス・J・ウェグナーがデザインし、ヨハネス・ハンセン工房によって製造された作品です。1950年代から1960年代初頭にかけて構想され、正式に発表されたのは1962年とされています。会議室や応接室での使用を意識して設計されており、威厳と快適性を兼ね備えた機能美を実現しました。

この椅子のフレームは、無垢材の削り出しによる彫刻的な曲線が特徴で、どの角度から見ても均整の取れた美しさを示しています。特にアームレストの形状は「ザ・チェア」(JH501/PP501)と共通性を持ち、ウェグナーが追求した木工技術の継承と発展を示す要素です。

座面と背もたれにはフルグレインレザーが用いられ、内部には高密度フォームを充填。これにより、フォーマルな場にふさわしい端正な姿と、長時間の着座に耐えうる快適性が両立されています。座面高は約43cmと、ダイニングチェアより低くラウンジチェアより高い「中間的な高さ」に設計され、立ち座りのしやすさを意識した人間工学的配慮が施されています。

素材にはウォールナット、チーク、オーク、ローズウッドといった高級木材が使用され、特にローズウッドは希少なバリエーションとして知られています。仕上げはオイルフィニッシュによる経年変化が前提となっており、使用を重ねるごとに深みと風格を増します。

JH509は、デザイナーと職人の緊密な協業から生まれた椅子であり、無垢材の造形美と人間工学的な機能性を高度に融合させた象徴的な作品です。ヨハネス・ハンセン工房が手仕事で仕上げたこのモデルは、デンマーク・モダンの頂点を体現するものであり、今日でも不朽のデザインとして高く評価されています。

 

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