Model 62a Armchair | アームチェア


About

Designer: Arne Vodder(アルネ・ヴォッダー)
Manufacturer: Sibast Furniture(シバスト・ファニチャー)
Year:
Material: Rosewood, Teak, Leather
Size: W63 × D53 × H80 × SH45 cm


Story

Model 62a Armchairは、デンマークの建築家であり家具デザイナーのアルネ・ヴォッダーが1961年頃にデザインし、Sibast Furnitureから発表されたアームチェアです。ヴォッダーが手がけた多くの作品の中でも特に高く評価されており、彼自身が晩年を過ごした施設にも唯一持ち込んだ椅子として知られています。彼にとってこの椅子は、生涯を象徴する作品のひとつでした。

Model 62aは、ヴォッダーの代表的な特徴である有機的な曲線と滑らかな接合を備え、ミッドセンチュリー期の北欧デザインを体現しています。木部のラインは繊細でありながら力強く、背もたれからアームへと流れる連続したフォルムが、構造と美しさを両立させています。座面と背もたれの形状は人間工学的に設計され、快適なランバーサポートを提供します。

素材にはチーク材やローズウッドが用いられ、天然木の質感を最大限に引き出すため、職人が一つひとつ丁寧に削り出しています。アームレストは手作業で滑らかに成形され、触れたときの感触まで計算されたデザインです。張地にはレザーが多く採用され、上質で落ち着いた印象を与えます。

製造を担ったシバスト・ファニチャーは、20世紀中期のデンマーク家具界を牽引した名工房のひとつです。ヴォッダーと同社は1950年代から20年以上にわたって緊密な関係を築き、数多くの椅子やキャビネットを発表しました。彼のデザインは、ホワイトハウスや国連事務所など世界各地で採用され、デンマーク家具の国際的評価を確立する一翼を担いました。

Model 62aは、シバスト社の卓越した木工技術とヴォッダーの造形感覚が融合した、デンマークモダンの精華ともいえる作品です。細部まで整えられた造形と静謐な佇まいは、半世紀を経た現在もなお、見る者に深い印象を残します。

PAGE TOP