モーエンス・コッホのソファとアームチェア

FDBモブラーが1947年の名作を復刻


機能主義デザインを現代に再解釈

デンマークの家具ブランド FDBモブラー は、建築家・家具デザイナーのモーエンス・コッホが1947年に設計したソファとアームチェアを復刻した。今回再び製品化されたのは、L43ソファ(MK46)とL46アームチェア(MK155)で、コペンハーゲン近郊のマナーハウス「ガンメル・キョゲゴー」のためにデザインされた家具が原型となっている。

FDBモブラーは1942年にデンマーク生活協同組合によって設立された家具ブランドで、「美しく機能的な家具を、すべての人へ」という理念を掲げてきた。今回の復刻は、20世紀のデンマーク機能主義デザインを現代の生活環境とサステナビリティの視点から再解釈する試みとして位置づけられている。


構造美を強調した家具デザイン

L43ソファとL46アームチェアの特徴は、オーク材のフレーム構造を家具の外観として見せる設計にある。クッションがフレームを覆う一般的なソファとは異なり、木製フレームが独立した骨格として明確に表現されている。

この設計により視覚的な軽やかさが生まれるだけでなく、クッション交換やメンテナンスが容易になるなど、長期使用を前提とした機能性も備えている。ソファの幅は約194センチで、住宅空間だけでなく公共スペースにも適したサイズとなっている。

素材にはFSC認証の無垢オーク材が使用され、張地にはレザーやウールファブリックなどが選択可能。現代の環境基準に配慮した素材構成が採用されている。


民主的デザインの現代的意義

モーエンス・コッホはコーア・クリントの思想を受け継いだデザイナーで、家具を装飾ではなく機能から設計する合理的な方法を重視した。数学的な比例と人間工学に基づく設計は、現在の北欧家具にも大きな影響を与えている。

FDBモブラーは2013年にブランドを再始動して以来、過去の名作家具を現代仕様で復刻してきた。今回のソファとアームチェアの復刻も、デンマーク機能主義の精神を現代の生活に再び取り入れるプロジェクトの一つとなっている。

シンプルな構造と天然素材を重視するデザインは、長く使い続ける家具としての価値を持ち、持続可能な家具づくりの観点からも再評価されている。


モーエンス・コッホとは

モーエンス・コッホ(1898–1992)はデンマークの建築家・家具デザイナーで、コーア・クリントの影響を受けた機能主義デザインの代表的存在である。1928年に発表したブックケースシステムは世界的な家具アイコンとして知られ、合理的な寸法設計と用途分析に基づく家具づくりで高く評価されている。


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