About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year:
Material: Teak, Oak, Rosewood, Wenge, Steel
Size: W186 × D62 × H48 cm / W150 × D62 × H48 cm / W75 × D75 × H38 cm
Story
AT12 コーヒーテーブルは、ハンス・J・ウェグナーがアンドレアス・ツックのために設計した「ATシリーズ」の代表的な作品のひとつです。シンプルな長方形あるいは正方形の天板と、木製またはスチール製の脚部という明快な構造を持ちながら、その造形にはウェグナー独自の「オーガニック・ファンクショナリズム」が息づいています。
素材にはチーク、オーク、ローズウッド(パリサンダー)、ウェンゲといった多彩な木材が用いられ、仕上げによって空間に温かみや力強さを与えます。さらに、スチール脚の仕様ではよりモダンで軽快な印象を持ち、異なるインテリアスタイルに柔軟に適応する設計となっています。
このテーブルは輸送や保管を考慮し、脚部を容易に分解できる構造を備えています。単なるデザインの美しさにとどまらず、日常生活における実用性を強く意識したウェグナーの思想を反映している点も注目すべき特徴です。
AT12は、サイズや脚部仕様の違いによる複数のバリエーションが存在し、用途や空間に合わせた選択肢を提供していました。これにより、リビングルームの中央に置かれるコーヒーテーブルとしてだけでなく、ソファサイドやラウンジエリアなど、多様なシーンで活躍するユニバーサルな家具として評価されました。
現在もなお、AT12はウェグナーのテーブルデザインの中で特に完成度の高い作品と見なされ、ヴィンテージ市場でも高い人気を誇ります。時代を超えて受け継がれるこのテーブルは、デンマーク・モダンデザインの精神を象徴する存在といえます。



