About
Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Andreas Tuck(アンドレアス・ツック)
Year: 1960
Material: Teak / Rosewood, Steel
Size: 幅 135(拡張時 235)× 奥行き 135 × 高さ 70.5 cm
Story
AT323ダイニングテーブルは、ハンス・J・ウェグナーとアンドレアス・ツックの協業から生まれた傑作です。楕円形の天板は閉じた状態で円形テーブルとして機能し、拡張することで長円形へと変化します。この柔軟な機能は、ウェグナーの「有機的機能主義」の哲学を反映したものです。
天板にはチークやローズウッドといった銘木が用いられ、その豊かな木目と温かみのある質感は、木材への深い敬意を示しています。対照的に脚部はスチールで構成され、工業的な冷たさと木材の有機的な美しさが絶妙に調和しています。この素材の対比は、ウェグナーがデザインの可能性を広げた重要な進化を象徴しています。
AT323の拡張機構は、シンプルでありながら高い実用性を備えています。4〜6人用としての使用に適したサイズが、伸長時には8〜10人を収容できる大きさへと変わり、家庭やパーティーシーンで柔軟に活躍します。
また、このテーブルには「Andreas Tuck」のメーカーズマークとモデル番号が刻印されていることが多く、真正性を裏付ける要素として重要です。現存数が限られていることから、希少性も高く、コレクターや愛好家にとって特別な価値を持ちます。
AT323は単なる家具ではなく、デンマーク・モダンの歴史を物語る芸術作品であり、ウェグナーの探究心とツックの職人技が結晶した不朽の名作といえるでしょう。

