C.F.C. Silkeborg | C.F.C.シルケボー


Story

C.F.C. Silkeborg(C.F. Christensen Silkeborg)は、1899年創業の伝統と、1950年代以降のデンマーク・モダン運動における再生という二重の歴史を持つ工房である。創業者カール・フレデリク・クリステンセンが木工部品の製造を始めたことに端を発し、戦後には本格的にデザイン主導の家具メーカーへと発展を遂げた。

 

この工房の最大の特徴は、量産ではなく厳選された製品群と職人技に焦点を当てた生産体制にあった。ヨハネス・アンダーセンによる「スマイル」コーヒーテーブル、イルム・ヴィッケルソーによる「Plexus」シリーズ、ヘニング・コルクによるティートロリーなど、象徴的な作品はデンマーク・モダンの精神を凝縮した存在として知られている。 

 

素材としてはチークやローズウッドといった高級木材を中心に、オークや籐、革、真鍮などを組み合わせ、優美なラインと堅牢な構造を両立。さらに精緻な接合技術や滑らかな面取りは、工房特有の「シルケボーの美学」としてヴィンテージ市場で高く評価されている。

 

2002年に工房は閉鎖されたが、その家具は今日も世界中のコレクターや愛好家から注目されており、デンマーク・モダンの静かな完璧主義を体現する不朽の遺産として語り継がれている。

 


About

Year:1899–2002
President:Carl Frederik Christensen、Knud Christensen、Erik Christensen
Designer:Johannes Andersen(ヨハネス・アンダーセン)、Illum Wikkelsø(イルム・ヴィッケルソー)、Henning Korch(ヘニング・コルク)
Place:シルケボー


History

1899 カール・フレデリク・クリステンセンがシルケボーで工房を創業
1900年代初期 地元のキャビネットメーカー向けに木工部品を供給
1930年代 工房が拡大し家具製造を開始
1949 息子クヌードとエリックのもと有限会社へ移行、経営体制を刷新
1950年代 デンマーク・モダンの潮流に乗り、外部デザイナーとの協業を開始
1955 ヨハネス・アンダーセンが代表作のコーヒーテーブルをデザイン
1957 「スマイル」コーヒーテーブルを発表し、工房の象徴的作品となる
1960年代 イルム・ヴィッケルソーが長期的な協働を開始
1965 ヘニング・コルクがティートロリーやバーキャビネットを発表
1968 ヴィッケルソーの「Plexus」シリーズが国際的に高評価を得る
1970年代 従業員約50名を擁し、ヨーロッパ・日本・アメリカに輸出拡大
1975 ヴィッケルソーの「Genius」シリーズを発表
1980年代 工房の活動が縮小するもデザイナーとの協業を継続
1985 アンダーセン、ヴィッケルソーの作品が海外市場で再評価
1990年代 北欧ヴィンテージブームにより再び注目を集める
2000 コルクの代表作がオークション市場で高額落札
2002 C.F.C. Silkeborg工房閉鎖、約100年の歴史に幕を下ろす


Furniture

・Smilet Coffee Table | スマイル コーヒーテーブル
・Nest Tables
・Serving Trolley
・Bar Cart
・Sideboard
・Plexus Lounge Chair
・Plexus Sofa
・Genius Lounge Chair
・Genius Coffee Table
・Vonge Tea Trolley
・Alabama 103 Nightstand
・Cocktail Table
・Cabinet with Brass Handles


Imprint/Label

・「CFC Silkeborg」や「C.F. Christensen Silkeborg」と記された焼印や紙ラベルが付与
・一部の製品には金属タグが使われ、目立たない位置に固定される
・1959年以降の作品には「Danish Furnituremakers’ Control」刻印が確認される場合がある

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