CH48 Armchair | アームチェア


About

Designer: Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)
Manufacturer: Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
Year: 1950
Material: Beech, Fabric
Size: 幅55 × 奥行48 × 高さ78 cm / 座面高42 cm


Story

CH48アームチェアは、ハンス・J・ウェグナーが「チャイニーズチェア」シリーズの流れの中で生み出した作品です。彼が探求していた「オーガニック・ファンクショナリティ(有機的機能主義)」の哲学が凝縮され、伝統的な中国家具のフォルムをデンマーク・モダンの感性で再構築したものとして位置づけられます。

アームレストがなだらかに弧を描き、背と座面がわずかに湾曲していることで、視覚的な優雅さと人間工学的な快適性が両立しています。ダイニングチェアとして日常的に使いやすく設計され、アームの高さはテーブルとの相性も良く、食事や会話の場で自然に身体を支えます。

座面はペーパーコードではなくファブリック張りを採用しており、柔らかな座り心地を実現しています。素材に対するウェグナーの柔軟なアプローチが示されており、従来の椅子とは異なる表情を持っています。

CH48にはアームレスの姉妹モデルCH49があり、CH46とCH47の関係と同様に「セット」として展開されました。統一されたデザイン言語により、家庭から公共空間まで幅広く使える家具群を構成しています。

現在、CH48はカール・ハンセン&サンの現行コレクションには含まれておらず、製造も終了しています。そのため市場では希少なヴィンテージ品として扱われ、コレクターや研究者にとって重要な存在となっています。生産年や製造数の詳細が曖昧であることも、この椅子のミステリアスな魅力を高めています。

CH48は、CH24「ウィッシュボーンチェア」や「ザ・チェア」ほど広く知られてはいませんが、ウェグナーの創作過程を理解する上で欠かせない作品です。シリーズの中間点として位置づけられるこの椅子は、彼が古典的な形式をいかに現代的な表現へと昇華させたかを物語っています。

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